FXコラム

ルー財務長官の発言などで戻したドル円~当座の戻り目処は108円程度か

2016/08/09

この連休105.500円近くまで一気に値を下げたドル円は、米国ルー財務長官が「日本は、国際的な為替の取り決めに沿って行動している」と、これまでの言い方から完全に手の平を返したような発言をしたことから3日のNYタイムから一転大きく戻すことになり、4日の東京タイム
ではすでに107.500円レベルまで戻りを試し、一旦は当座の底をつけた感があります。

気になるのは連休明けからのドル円の動きということになりますが、基調はまったく変わっていませんので当面はどこまで戻るのかを探ることになりそうです。

■戻っても108円が限界か

ただ、月足で見ますとまったく状況は変わっておらず、ドル円の下落トレンドは継続していることがわかります。

当面の戻りは日銀の現状維持が発表されたレベルから下落の底までの38.2%戻しがいいところで108円前後まで戻ればいいほうなのではないでしょうか。

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仮に半値戻しまでしても108.700円レベルがかなりいい線であり、それ以上はもどらないように見えます。

今回、日銀のせいで大きく下落したわけではないのですが、市場との対話方法がより適切であれば、ここまで下落する必要はなかったわけで、トータルで考えますとやはり日銀のサプライズ重視のやり方に問題があったと言わざるをえないのが実情です。とくにブルームバーグの
報道については早期に否定しておけば株も為替も少なくとも下落は抑えられたはずです。

■6日の雇用統計にも注意が必要

6日の夜に発表される雇用統計までにどこまでドル円が戻ることになるのかが見ものになっていますが、これで197.500円を超えられなければ週明けから市場はまたドル円下落方向に動くことも想定しておくべきでしょう。

今のところドル円への支援材料は非常に限られた状態であり、5月は後半の伊勢志摩サミットに向けてなんらかの政策対応が登場するまでは上昇ドライバーが殆どない状況になってきています。

■早くもトランプ候補が共和党候補に決定か?

米国サイドでマイナスな報道になっているのが共和党のトランプ候補がまた統一候補に一歩近づいていることです。

7月18日が共和党の全国大会ですがその前に大勢が判明しはじめるとドルは嫌気して売られる可能性が高く、夏に向けてはかなり注意が必要になってきています。

■安倍内閣の政策対応がでてもドル円は上昇するか懐疑的

恐らく5月のサミットにむけて大型財政出動が発表されることになると思われますし、消費増税も延期するかどうかは、サミット後に決定するということですからこのタイミングで株価の上昇はある程度みっこまれるものと思われます。

しかしまたしても赤字国債乱発による財政出動と増税見送りとなれば、国債の格付けが下落する可能性もあり、金融株中心に売られるような局面に陥れば株価も上昇が見込めない状況です。

これまで日本は90年代から公共事業をなんども繰り返し数十兆円の費用を真水で投入してきましたが、デフレが回復しなかったのはご案内のとおりで、やらないよりはましの財政出動ですがこれで円安に回復するとはまったくかぎらないといえます。

むしろ材料出つくしで夏場に向けて株も為替の下落に向かうことのほうを心配すべき状況になってきているといえます。

■ドルインデックスで見るとドル安は依然進行中

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ドルの動きをドルインデックスで見てみますと、依然としてドル安は進行していることがわかります。

米国財務省が率先してドル安を志向していることもありますが、特にドル円についてはドル安で円高方向になっていることから大きく下落する動きが示現しているわけです。

この流れは米国の大統領選挙が終了するまでは継続的なものとなる可能性が高く、少なくともドル円はある程度戻したところが売り場になっていくことをしっかり認識しておく必要がありそうです。

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