FXコラム

ゴールデンウィークは円高のアノマリーというのは本当か?

2016/08/09

今年もいよいよゴールデンウイークが近づいてきました。

このゴールデンウイークという時期は為替にはかなり明確なアノマリーが存在するのをご存知でしょうか?

それがこの期間は円高になるというものなのです。

0501-1

上の表は過去8年ほどのゴールデンウイークのドル円の動きをまとめたものですが、8年の中で大きく上昇したのは1回、昨年はほとんど動きがなく若干上昇するに留まったのに対し、残りの6年間は大きく下落することが多く、とくに2010年などは7円もこの期間中だけで下落するというなかなかシビアな期間にあたっていることがわかります。

■本邦勢お休みの時期に仕掛け売りがでるケースが殆ど

ゴールデンウイークにドル円が下落するというのは、よくよく考えて見ますとなにが原因かわからないアノマリーというよりは本邦勢が珍しく国をあげて長期休暇に入り実需も銀行もお休みであることをよく理解している海外の投機筋がこの時期に仕掛け売りをすることが多かったことから、かなり定着した動きになってきていることが理解できます。

2008年から12年までは特にドル円が長期の下落トレンドの途上にありましたから下げを加速させることが多かったわけですが、アベノミクスが始まって2年目の2014年も1.7円ほどこの時期に下落していますから相場の大きな流れとは関係なくこの時期にドル円が下落するリスクを考えておく必要があるというわけです。

■今年は一体どうなるのか?

0501-2

さて2016年のゴールデンウイークは例年に比べて休みの配置が非常によく、2日と6日をお休みすれば29日から8日まで10連休を取得することが可能となる、なかなか魅力的な週間になりそうです。

しかし逆に言えば外人の短期投機筋にとっては実に仕掛けのしやすい時期にさしかかるわけで
特に5月の第一週はどう見ても市場参加者が激減するのは間違いありませんから、この時期に
売りをたたみかけてくる可能性は否定できない状況になりつつあるのです。

■28日は日銀政策決定会合

今年のゴールデンウィーク突入に向けてもっとも気になるのが28日の日銀政策決定会合の結果発表です。

米国FOMCはその前日27日の午前3時に発表となりますが、4月に利上げが行われる確率はきわめて低く、翌日の日銀の政策決定会合の方により注目が集まることになりそうです。

市場では日銀によるETFの買い入れ枠の増額や社債を含めた債券購入枠拡大などに期待が集まっていますが、現在官邸主導でPKO軍団が株価の上昇を画策しており、1万7000円近くまで回復していることを考えるとここで日銀が無理をして追加緩和を実行するかどうかはかなり微妙な情勢です。

また黒田日銀総裁は財務省出身ということもあり消費税率アップの予定通りの実現が悲願となっていることから考えても、現状で増税見送りの可能性も高まる中で、先だし的に量的緩和を
実施するのかどうかが注目されるところです。

■追加緩和実施しても見送ってもドル円は売り込まれる?

ここで問題となるのが日銀の政策決定結果を受けた市場の反応ということになります。

12月からの過去2回の金融政策決定会合では日銀の意に反して市場は大きく売り込まれること
となり、特に1月29日のマイナス金利導入では相場が持ち上がったのはたった2日だけで3日目からは大きく売り込まれて今日に至っているだけになにか緩和がでても出尽くし感や不十分な内容であっても売り込まれますし、なにもでなければ単純に失望感から売り込まれる可能性があり、どちらに転んでも下落リスクが付きまとう状況となってきているのです。

29日は休日ですからたとえ一旦上昇する局面があったとしても翌日から次の週にかけてドル円の弱いところを突いて短期の投機筋が一斉に売り浴びせをしかけてくるリスクはかなり高い
といえます。

そういう意味では通常のゴールデンウイークよりもさらにドル円の下落リスクが高いのが今年の特徴といえるのではないでしょうか。

ワシントンのG20でも自国通貨安に誘導しない旨が確認されていますし、なにより米国は「円高無秩序でない」「日本は切り下げ回避を」とルー財務長官が明確に言い切っているところから考えて、とてもではありませんが今のレベルではスムージングを理由にした為替介入すらできないことが明白になっており、ドル円を売り込もうとする向きには最高の支援材料になっていることを忘れてはなりません。

今年のゴールデンウイークはこうした背景から例年以上にドル円の下落に対する注意が必要となりそうです。

-FXコラム