FXコラム

国内で大地震が起きるとなぜ円高になるのか?相場の不思議を語る

2016/08/09

4月14日、普段はほとんど大きな地震が起きない九州の熊本で震度7という巨大地震が発生しました。

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Photo :熊日com

この直後ドル円は瞬間的に円高になりましたが首都圏と遠いことと直下型で被害の範囲が限定的であることから為替には大きな影響は出ずに済んでいます。

しかし2011年の東日本大震災のときにはその後数日でドル円は大きく円が買われて大幅に円高に振れることとなりました。

通常考えてみればリスクが起きている国の通貨をなぜ地震の発生でみなが買いに走るのかかなり不思議なことともいえます。

しかしこれには為替相場特有の考え方が織り込まれているのです。

このあたりの発想は、平時からしっかり理解しておきませんと、独自の常識だけで売買した場合に相場の動きと反対方向に動いてしまう可能性があるため十分に注意しておかなくてはならないのです。

今回はそれをご紹介しておくこととにしましょう。

■海外資金からのレパトリ需要を見込んだ東日本大震災後の円高

大地震の後に急激に円高になったケースで記憶に新しいのはなんといっても東日本大震災です。

このケースでは地震により甚大な被害がでたことから法人などでも海外にある資金を大幅に国内に引き戻す動き、つまりレパトリエーションが起きることを狙って投機筋が大きく円を買う動きになったのです。

特に首都圏に近い東日本で巨大地震が起きたことや製造業の生産拠点がかなり壊滅的な状況になったことが世界的に報道されたことも円高を加速させるきっかけとなったようです。

実際にこうした資金需要があったことは事実のようですがかなり地震から時間が経ってからのニーズであり、地震の翌週からこうした動きが加速するというのは噂で買って事実で売る為替相場独特の早どりの状況ということができそうです。

被災地の通貨なのに買い進まれてしまうという特別な事態の示現はこうした相場の思惑から引き起こされることになります。

熊本の震災でも一時的にこうした動きがでるということはアルゴリズムなどにも既にしかけとして組み入れられていることがわかります。

■戦争当時国や原発大事故の場合は?

大地震の場合にはドル安円高になることは間違いありませんが、果たして戦争の当事国として
甚大な被害を受けたり、原発の大事故で修復不能の広範な被害を受けた場合などはどうなるのかも気になるところです。

そもそもそうした事態に陥れば、自分自身が生き残っているかどうかの生命の心配をするほうが先ではありますが、こうした場合は必ずしも円買いにはならない可能性が考えられます。

たとえば、あっては欲しくないこですが、核弾頭を打ち込まれて都市部が壊滅的な被害になったといった場合には、復興というよりも破滅で資金が国から逃げて行くほうが大きくなる可能性があるからでこちらは一般人が考えるとおり日本から資金が出て行くことの動きのほうが大きくなります。

また原発事故の大規模なものが起きて都心部には立ち入れなくなったとなればもはや復興資金ではなく破滅といったほうが早く、円買いにはならない可能性が高まります。

■為替市場の発想は実に独特

地震のほうに話を戻しますと、地震後に製造業などを中心として株価が下落することを嫌気してドル円が円高に動くことも想定しておく必要があります。
このように一般的な常識とは異なる発想で為替相場は推移することになる点についてはあらかじめしっかりと理解しておく必要があります。

今のところ国内では地震以外の災害で為替相場が大きく動くといったことは起きてはいませんが資金的な問題でリカバー可能な災害の場合には対外資産を多くもっている日本ではどうしても円が買われる動きになってきそうです。

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