FXコラム

一息ついたかに見えるドル円下落~しかし今年は秋まで円高リスク満載

2016/08/09

4月第二週107円台中盤まで売り込まれたドル円は、一旦ショートカバーをして109円台までもどってきていますが、今年の政治的なスケジュールを見渡してみますと、実に円高に触れやすいものが目白押しであることがわかります。

ここからある程度の戻りが出たとしてもドル円はかなり長期的に円高リスクをかかえて今年秋までの相場を乗り越えて行くことになりそうです。

今回は今後発生しそうな円高リスクについて考えてみたいと思います。

■4月28日日銀政策決定契合

市場では4月28日日銀政策決定会合でなんらかの追加措置が出ることに対する期待が高まっています。

マイナス金利の深堀は市場にネガティブな影響を与えることになりますので、ETFの10兆円規模の増額債券購入範囲を国債から社債に広げるといった観測も飛び出しつつありますが、果たしてこうした量的金融緩和が市場に正当に評価されて為替の上昇ファクターとして機能することになるのかどうかが注目されます。

妙な材料出つくし感と万が一期待はずれといった状況が示現すればゴールデンウイーク、本邦勢が不在のときにいきなり売り込まれるリスクも残って来ているといえます。

■6月23日英国EU離脱に対する国民投票

円高リスクは国内のイベントのみならず海外のものも大きな影響を与えることになります。
そのひとつが6月23日に実施予定の英国のEU離脱可否を問う国民投票です。

世論調査の結果は今後さらに細かく報道されポンドは上下に振れる展開になることが容易に予想されますが、キャメロン首相はパナマ文書の公開で、亡夫の資産の問題から辞任要求も高まる状況になっており、これが絡む形で現政権が失脚すれば、EU離脱に妙な形でプラスに働く可能性もでてきているのです。

万が一EU離脱が過半数を占めることとなればドル買い、円買いが激しくなりとりわけ円はドルに対して大きく買われる動きが示現するものと予想されます。

この場合円高のレベルはその時点での相場のレベル次第となりますが、またしても100円方向に押し返してくる可能性は高くなります。

■7月18日共和党全国大会

日本ではノーマーク状態だったのが共和党の候補であるドナルドトランプの代表問題です。

これまで大統領選の途上で消えるものとばかり思われてきたトランプ候補は、なんと共和党の
代表候補になりかねない勢いであり、7月18日の共和党全国大会でまさかのトランプ選出が
決まれば、大統領選を前にして市場は嫌気してドルが売り込まれ円が大幅に上昇する可能性が
あります。

この場合どれぐらい下押しすることになるのかは実際に決まってみないとわからない状況ですが、1円、2円の下落では済まない可能性は高まります。

■7月参議院選挙後

とにかく今の政権は7月の参議院選挙で圧倒的な勝利を収めて、改憲に進みたいのが見え見えの世界ですから、できることは何でもしてくるはずで、5月末の伊勢志摩サミットに向けて大型財政出動や増税見送りなどをセットにして選挙前に相場を押し上げようとするはすです。

しかし7月後半になれば材料出つくしとなることは間違いありませんし、選挙が終われば株価も関係ありませんので、夏場に大きく相場が下げるリスクを考えておかなくてはなりません。

実際、1990年代からの過去8回の参議院選を分析してみますと夏場に大きく相場が下落する傾向があり、昔から材料出つくしで相場は沈む傾向があります。

株価との連動性が高いドル円がこれにあわせて円高に進む可能性は高いといえます。

■11月8日大統領選挙

そして今年の秋、最大のイベントとなりそうなのが米国の大統領選挙です。

これも想定はしにくい話ですが、前出のトランプ氏がまさかの大統領選出となった場合、本来的なリスクの問題とは別にかなりドルは売られることになり、ドル円相場のレベル次第では90円を割り込む騒ぎになる可能性もあります。

このようにドル円の下落リスクは今年想像以上に多くが存在し、国外の要因も目白押しです。
ただし、これは最悪のシナリオですから、海外の要因はまったく逆さまの状態に終わり、なにも起きない可能性ももちろん残されています。

普通にしていても世界的にドル安を望む声が多いなかで、こうした政治イベントなどでまさかの円高が急激に進行する可能性については常に意識しておく必要がありそうです。

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