FXコラム

3.本格化する外国人投資家の日本株売り~ドル円相場を阻害する株価要因

2016/08/09

4月、新年度に入ってからわずかに8営業日程度ですが、日経平均は大きく売り込まれており、しかも出来高も実に限られており、薄商いが続いています。

当然のことながら為替も円全面高ではないもののドル円主体で下落が続いている状況です。
ただ、株価の下げは昨年までとは大きく異なってきていることが、東証から発表されている投資主体別売買動向で確認することができます。

■外人投資家は本格的に日本売りに転じた可能性大

年明けから外人投資家は延々と日本株を売り続けています。

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その金額は3月末で実に年初から5兆1000億を超えるレベルとなっており、4月に入ってからは多少緩んではいますが、売りは止まっていません。

この売りが特徴的なのは実に全体の97%近くが現物株によって引き起こされていることで、ヘッジファンドが短期で先物主導の売りにより引き起こす一時的な売りではないことが非常に気になります。

アベノミクスの初年度外人投機筋は年間で15兆円ほどの日本株の買い越しを行いました。

それに伴ってヘッジのためにドル円も買い進んだわけですが今年はすでにその3分の1程度の現物株が売りに回っており、昨年8月から始まった産油国系のSWF(ソブリンウエルスファンド)の資金調達のための日本の長期保有優良株売りによるものだけでは既に説明がつかない規模の日本株売りが顕在化していることがわかります。

■市場での買いは日銀ETFとGPIFだけ?

4月に入ってから一旦収まりつつある外人売りですが、売りが止まったといっても全く買いが入ってきているわけではなく、新年度下落局面では日銀がETFを買い始めていますが、それ以外は一部の年金関連が買いを入れ始めているぐらいで機関投資家がまだ始動していないだけに
相場は実に薄商いとなっており、個人投資家はもっぱら新興市場での売り買いに終始する状況です。

■外人投機筋は売り時を模索か

外人投資家の中でもファンドなどの投機筋は日本売りをすでに確実に視野に入れているようですが、問題は売りのタイミングのなってきているようです。

伊勢志摩サミットなどで大型財政支出や増税先送りがでれば一旦は株価は戻ることが想定されますから参議院選挙前のピークでの売りを模索しているようで現状の為替の動きから見れば株価の下落はドル円の大幅下落にもつながるリスクが高まりつつあります。

■日経平均は1万4000円、ドル円は100円が依然視野に

日経平均とドル円は常に連動するわけではありませんが東京タイムではその相関関係が極めて高いことから日経平均が下がればドル円も応分の下落を伴う可能性はきわめて高い状況にあります。

このまま外人の日本株売りが継続し、かつ企業決算の悪化なども手伝って日経平均が1万4000円を目指すことになればドル円も100円に近づくことは間違いなく国内株価の動向には引き続き注意が必要となります。

■参議院選挙の年は夏に景気減速が目立つ

1990年代からの過去8回の参議院選挙における相場を分析してみますと、選挙直前に様々な
景気対策が打たれることから一旦は株も為替も上昇することが多いのですが、選挙後は完全に材料出つくしで大きく下げることが多いことがわかります。

したがって夏場は相場の下落が顕著になるのが過去のケースとなっています。

これはもはやアノマリーではなく厳然たる事実として認識すべきもので、今年もそれに近い状況が引き起こされる可能性が高まります。

またこの参議院選挙の前に英国のEU離脱をかけた国民投票も実施されることから万が一英国のEU離脱が過半数といったことが決まりますと、参院選前に円が大きく買われてドル安円高が想像以上に進行することも考えておかなくてはなりません。

この夏にかけてはとにかく円高リスクが一杯の相場になりそうで、日ごろからこうした株の動きにも注意を払うことが必要不可欠になってきそうです。

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