FXコラム

4月第二週ドル円は4.04円の円高~やはりドル安の上海合意はあったのか?

2016/08/09

3月29日(日本時間3月30日午前1時過ぎ~)からのFRBイエレン議長の議会講演はFOMC以降タカ派発言をしていた地区連銀総裁の発言をすべて打ち消す超ハト派発言に終始しました。

利下げが選択肢にあることまで口にしたことからドル円はそれまでの上昇を一気に失い112円台に突入することとなりました。

その後年度末を迎えてGPIFなどのPKO軍団が相場を持ち上げるのではないか。

という期待もありましたが、特段そうした動きもないまま株も為替も沈み込んで2015年度を終了、翌4月1日の雇用統計でも非農業者部門雇用者数は市場の予測を上回る概ね良好な数字。

ですが、良好な数字であったにも関わらずドル円は下落し、4月第二週の先週は週初から大幅な下落がスタートし、なんと5日間で4.04円の大幅下落を示現することとなってしまいました。

今回の下落は一旦節目のポイントを抜けても大きく走らず、レベル感から底値ではないか?

と買い向かった個人投資家は悉く投げを強いられ107.60円レベルまでの下げを加速させることになりました。

ドル円の下落を想定して115円台からショートを積み上げてきた海外の短期投機筋にとって1.07円台中盤のレベルが達成感のあるものなのかどうかはよくわかりません。

しかし、ファンド勢がもっとも注目する月足の20ヶ月移動平均を見ても、週足の60週移動平均ベースのボリンジャーバンドをみても相場は大きく下回っています。

とくに60週のボリンジャーバンドでは完全にマイナス2σの外側で推移しています。

足元ではマイナス3σを超えたところを彷徨うほど異常な下落トレンドを示現していることがわかります。

0411-1

0411-2

投機筋は2月11日のドル円の暴落以来ドル円のショートを保有し続けてきている状態です。

まさに満を持してドル売り円買いに臨んできているという状態です。

年度末を越えてPKOが登場してこないと見た投機筋が一斉に円買いに走っているとも見えます。

ですが、この一週間でここまでセンチメントが変わるネタがあったのかといえば、イエレン発言ぐらいしか見当たらないのが実情です。

6日の深夜に安倍晋三首相が「独断的な為替介入は控える必要」「競争的な通貨安は避けなければいけない」と述べたとWSJが伝えたことで介入リスクが大きく後退しこれがドル円109円台に突入させるきっかけになったことも事実です。

ですが、こうなると一段と疑いたくなるのが先の上海G20で締結されたといわれるドル安合意の存在です。

■上海でのドル安合意は実在する?

約1ヶ月前の3月18日に掲載されたブルームバーグの報道によれば、2月に行われたG20 上海の首脳会議の席上で、プラザ合意にも似た、きわめてゆるやかな暗黙の合意がなされた可能性が指摘されていました。

ですが、その存在は明確には確認できてきませんでした。

その内容はプラザ合意ほどの厳密な内容ではないものの、主要中銀がドルの安定化に動くことで、中国を大幅な通貨切り下げに追い込む圧力は緩和する。

という内容が盛り込まれたと見られます。

この報道がでた当初はそのようなものはありえないといったアナリストの見解もみられましたが、直近の相場の状況、とくにドル円をとりまく相場レベルを見ていますと、「この手の合意が現実のものになってきている」との疑いが非常に高まることとなります。

現状ではいくら詮索してみたところで事実を突き止めることはできません。

突く止める事ができなくても現状の相場の流れを見ていますと、こうした国際協調の枠組みが存在するように思えてならない状況です。

仮に緩やかとはいえこうした合意が形勢されていた場合、過去の事例から見て15%から20%程度までの為替調整は織り込まれている可能性があります。

ドル円でいえばちょうど106円あたりが15%で20%まで許容されているとすれば100円近辺まで誰も文句は言わないレベルということになります。

安倍総理のWSJ取材における見解がこうした合意に基づくものならば円高は早期にもう一段進む可能性も考えておく必要がありそうです。

ただ、ドル円はこの合意の存在の成否に関わらず株安を含めて上昇の支援材料が極めて乏し

く、引き続き単独で円高方向に推移しそうな流れになってきています。

 

-FXコラム