FXコラム

FRBは無理しても9月利上げに踏み切るか?利上げを強調するFRB関係者

米国雇用統計明けの9月第二週はとにかくFOMCに関連する地区連銀総裁やイエレン議長に近いFOMC投票権のない地区連銀総裁などが相次いで利上げの可能性に言及し、雇用統計がさしていい数字でなくても、ISM非製造業の景況感指数が悪くでもお構いなしで利上げを示唆するたびに相場が乱高下する展開となりました。

ドル円を買上げた投機筋自身も結構損失を抱えたようですし、それについていき妙に動きを増幅させたアルゴリズムも決して儲かってはいないようで、相場全体で投げと踏みの繰り返しを行った感が非常に強い一週間でした。

データ次第で利上げと口にしたフィッシャー副議長ですが、その後発表された経済指標はお世辞にも利上げタイミングを示すものとはなっていないものの、ここまで地区連銀総裁が挙って利上げをほのめかすとなると、9月に強引にFRBが利上げを行う可能性も捨てきれない状況になりつつあるといえます。

米国にはFOMCの1週間前から関係者はメディアや市場にでてきて余分な発言をしないというブラックアウト期間が設けられており、12日がFOMC前に許された最後のFRB関係者の講演可能日となっていますが、駆け込みでこのタイミングに3人の要人の発言が予定されており、今の利上げ路線が強力に継続されることになるのかどうかが非常に注目されています。

ロックハート米アトランタ地区連銀総裁 講演、カシュカリ米ミネアポリス地区連銀総裁 講演、ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事 講演がその3名であり、連銀総裁はほぼ利上げ賛成を口にするものと思われますが、イエレン議長の側近でもあるブレイナードは急遽月曜日に講演を決めており、彼女の口から利上げが示唆されるとなれば相場はそれなりに上昇する可能性が高まるといえます。

■もはや先延ばししてもベストタイミングは到来しない

先日、初代の債券の帝王を呼ばれるビルグロースがNFP15万人以上ならとにかく躊躇なく利上げすべきでここで利上げを留まったら一体いつ利上げに踏み切れるのかといったかなり皮肉たっぷりなコメントを出していましたが、確かに日欧の中央銀行の金融緩和はすでに限界にさしかかっており、株価も高いこのタイミングに0.25%一回でも利上げをしておくべきという意見はかなり正しいとも言えます。

イエレン議長がなかなか踏み切れない部分をフィッシャー副議長が背中を押しているとみると今のFRB関係者の発言もかなりわかりやすくなりそうです。

■フィッシャーの再三のメディア登場は強いメッセージの可能性も

フェデラルファンドレートの確率などを見ますと9月利上げはまったく市場のコンセンサスがとれていない状況ですから、普通ならばありえないものといえますが、これまでイエレン体制の中では表立ってそのプレゼンスを発揮してこなかったフィッシャーがあえて中心になって利上げを口にし、しかも年内2回の利上げすらもありえない話ではないと強調した点が非常に気になるところです。

12月に連続して利上げするかどうかは別としても9月に思い切って0.25%を上げてくることも、ここまでくるとありえる話として想定しておく必要がありそうです。

通常FRBの関係者はハト派とタカ派がバランスをとって市場の様子を見るというやり方をするのが定石になってきていますが、ここまで連日関係者総動員で利上げをほのめかされるとちょっと気持ちの悪い状況になってくるものです。

FXは確率にかける投資法ですからこのようなどちらに転がるかわからない状況でヤマを賭けて売買するのは決してお勧めできるものではなく、結果がでてから考えることが最善の方法となることは間違いありませんが、ひょっとすると9月利上げがある可能性がまだ残っているということだけは意識しておきたいものです。

-FXコラム