FXコラム

8月米国雇用統計は予想を下回りドル円は微妙な動き

市場が大きく期待した8月の米国雇用統計ですが、結果は予想を下回り、非農業部門雇用者数は15.1万人に留まりました。数字としては決定的に悪いものではないことから一旦102円台に突っ込んだドル円は103円台後半にまで戻る形となっていますが、さすがにそこから上までを買い上げる勢いはなく、年内利上げの可能性は十分に残ったもののこれで9月利上げ確定とまではいかない状況です。

失業率も予想4.8%に対し4.9%とほとんど誤差範囲であり、完全失業率に近くなっていることもあってこれ以上数字は縮小しない状況にあります。

雇用統計の結果を好感して株価は上昇していますが、債券金利は一時的にマイナスに沈み込む形となり、ここからの相場の動きはなかなか微妙なところに差し掛かってきています。

■債券帝王のビルグロースは利上げを主張

面白いのは債券の帝王と呼ばれたビルグロースで、この程度の数字が維持できているのであれば利上げを実施すべきとしています。

これで利上げを見送るのであれば一体いつ利上げするのかというのが彼の主張で、株価も高値にある今、利上げができなければいつまでたってもそのチャンスが訪れないという指摘は確かに正しいといえます。

■予想が難しくなった9月FOMC

さて、ここから誰しもがどう考えるか悩むことになりそうなのが9月のFOMCです。

完全に利上げの可能性がなくなったとはいえませんが、これで次回FOMCで利上げ見送りになり、しかもその前の日銀政策決定会合でなにも緩和措置がでない場合には、かなりの勢いでドル円は円高方向に振り戻されることが予想されます。

■FRB首脳の強気発言は結局選択肢確保が目的か

ジャクソンホール以降フィッシャー副議長もかなり強気の発言をメディアで繰り返すこととなりましたが、結局のところ、利上げという選択肢が明確に存在していることを市場に知らしめるのが大きな目的であり、実際に9月に利上げすることが本当の目的だったのかどうかはよくわからないのが現実のところになってきています。

■レイバーディ明けの火曜日からが本格相場スタート

米国は月曜日がレイバーディで祝日ですがこれがあけると金融相場も本格的にリスタートをきる形になります。

今回の雇用統計の結果をもとにした動きの顕在化はおそらく火曜日からということになりそうですが、ドル円は既に一定のレベルまで戻した感があり、引き続き大きく跳ねれば戻り売りで対応して十分に利益を確保できそうな市場となりそうです。

■米国株価の調整も気になるところ

9月はシーズナルサイクルとして米国の株価が安値をつけやすくなり、こうした動きに日本国内の株式相場が引きずられることになりますと、ドル円も一定の下落を余儀なくされることになります。

9月に入ってから急激に強気な相場展開となったドル円ですが、これがどこまで続くのかも見所になりそうです。

おそらく日銀政策決定会合までは株もドル円も比較的堅調さを保つことが想定されますが、果たして21日以降大きく流れが変わることにならないかどうかが注目されます。

とくに日銀・黒田総裁は性懲りも泣くマイナス金利の深堀を示唆する発言を繰り返しており、これが現実のものになった場合それなりの売り浴びせになる可能性もありかなり注意が必要となります。

とりあえず今月最初の大きなイベントである雇用統計をこなしたことで、いきなり利上げの織り込みムードが高まることにはならなさそうで、引き続き相場のセンチメントをさぐる動きが継続となりそうです。

これまでの動きを見ていますと、ドル円は105円~95円のレンジ幅で推移することが考えられますが、果たしていつ再度下押しが起きるのかも大きな関心事となり、場合によっては9月21日以降にすぐに示現する相場展開も想定されます。

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