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ジャクソンホールで異常な強気発言の黒田総裁~9月の会合では何を見直すのか?

25日から米国ジャクソンホールで開催されたFRBのシンポジウムは26日のイエレン議長の講演だけが異常に注目を浴びることとなりましたが、実は日銀の黒田総裁も会合には出席し、今後の金融緩和の見通しについて語っています。

■依然強気を崩さない黒田総裁

7月29日の日銀政策決定会合では黒田緩和を検証すると発言して9月にどのような検証が開示されることになるのか市場の大きな注目を浴びている日銀ですが、海外勢はすでに緩和が限界に来ており、マイナス
金利の是正も含めてなんらかの枠組み変更を示唆するのではないかといった見方が強まっています。

もちろんこれ以上緩和ができないといった言い方をしてしまいますと相場は一気に下落することになりますからそうした言葉遣いはしないもののなんらかの枠組み変更により結果的に緩和を後退させると見るむきは海外には非常に多くなっているのが実情です。

しかし今回黒田総裁がジャクソンホールで口にした内容はまったく逆さまで、日銀のマイナス金利政策は「幅広い借り入れ主体に恩恵を与えている」と効果を強調し、さらに必要と判断した場合には、ちゅうちょなく追加的な金融緩和を講じていくと発言し、マイナス金利自体にもまだその深堀余地があることを示唆しています。

こういう話になると、なぜ7月に緩和の検証を行うなどと言ったのかが気になるところで、サプライズから市場との対話を重視するという黒田総裁の話がうそでないならばこのジャクソンホールでの発言は追加緩和を市場に事前に示唆したものと考えてもおかしくはない状況です。

インフレが進行しない限り、効果は別として日銀がまだ手をつけられる政策があることは間違いありませんが、FRBは日欧の中央銀行の緩和措置が限界に近づいているからこそ、早めに利上げをして政策手段を確保しておきたいと考えているのは間違いないと思われ、果たして9月21日に日銀がなにを持ち出してくることになるのかが大きく注目されます。

■9月21日は日銀とFOMCのダブルヘッダー

中央銀行の政策決定が短い期間に立て続けに行われるというのはここのところ結構ありがちなものですが、この9月21日は日銀の政策決定会合の結果発表とともに翌日の朝3時にはFOMCの政策発表も行われることから、市場が大きく荒れることも予想されます。

本来FOMCが開催されるとなれば日銀は現状維持で様子見を決め込むことが多いわけですが、ジャクソンホールで事前にイエレン、黒田でなにか政策について事前合意がはかられているのであれば日銀が緩和し、FRBが利上げするというサプライズがおきることもないとはいえない状況になってきています。

米国の大統領選挙は、トランプ候補の歩がかなり悪くなってきており、まさかの大統領選出の可能性が低くなりつつあることから9月にFOMCが前倒しで利上げを行ってしまう可能性も完全には否定できなくなっています。

それだけに日銀がなんらかの追加緩和を出して、そのあとにFOMCで利上げという動きがでればドル円は一時的にせよかなり上昇することを想定する必要もでてきています。

ただし、米国の利上げに対する株式市場の反応は想像以上にシビアで、9月は季節的に米国の株価が下げる時期でもありますから、高値どまりしていた株式市場が一気に下落に転じることになれば日経平均も連動し、日米の株価の下落にドル円が引きずられて先に下落するシナリオも考えられます。

したがって9月21日までは上方向と下方向の両方で動きが出る可能性に留意することが重要になりそうです。ただし、FRBの基調は明確にドル安を志向していますから、日米の中央銀行の政策で一旦はドル円が上昇しても絶好の売り場になることも考えておく必要があります。

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