FXコラム

9月の日銀政策決定会合を巡って真っ二つに分かれる市場の見方

2016/08/25

株も為替も中央銀行の政策決定の方向性を巡って身動きがとれなくなりつつありますが、そんな中にあって米国の利上げとともに注目されているが9月21日の日銀の政策決定会合における緩和の検証問題の
行方です。

■市場の見方は真っ二つ

国内の証券関係者や個人投資家は色濃く緩和の枠組みを変えて追加緩和の深堀があることを期待しているようですが、海外の投資ファンド勢は、明確に言葉にしなくてもなんらかの形で緩和の内容を後退させてくると見ているところが多く、日銀のアウトプットに関する見方がかなり異なってきていることがわかります。緩和の継続期待が国内市場にしか存在しないというところは非常に気になるポイントで海外から見た日本の金融市場はもはや緩和継続が限界に来ていると強く見られている点が大きな問題といえます。

■インフレにならなければ手立てはあるが

現状ではインフレが起きているわけではありませんから、中央銀行が実施できる手立てとしてはまだまだ多様な方法が残されていることも事実です。

しかし、債券や有価証券の買い入れといった視点で見ますと、既に国債の買い入れは日銀が3割以上を取得しており、新規の債券が発行されない限りは年間80兆円や100兆円の国債を買い入れることは事実上不可能になってきています。

もちろん財投債や地方債など枠組みを広げて買い上げを続ける可能性は残されていますが、政府や自治体が発行する債券をそこまで買い上げてしまって本当に大丈夫なのかという不安は常に付きまとうことになり最終的にはヘリコプターマネーの実施に追い込まれることが危惧される状況です。

■ETF市場での日銀のシェアは50%超

国内のETF市場はほぼ12兆円程度と見られますが、既に日銀の保有分は6兆円を超えており、ここからさらに年間で6兆円の買い入れを実現すれば、特定のETFを除いてそのほとんどを日銀が保有するという独り占めの市場を形成することになります。

しかしこうした独り占め市場は往々にして破綻することがあり、株式やコモディティの仕手戦などでも大失敗をした事例はいくつも見つけることができます。

確かに下値を強力に維持することから比較的安心感はあるものの、市場としての自律反発力などは大きく抑制されることから、きわめて面白みのない相場展開になることは間違いなく、海外の投機筋もそれを嫌って国内株の投資から引きの姿勢を強めている状況です。

株と連動感を強めてきたドル円も足元では足並みをそろえない動きになってきており、方向感を見定めることが非常に難しくなってきています。

■ここから確実なのは不安定なボラティリティの高さだけか

国内の金融市場は9月の日銀の政策決定の方向感をどのように織り込んでいいのかかなり迷っている状況が示現しつつありますが、こうした中でひとつだけ間違いないのは緩和と縮小というまったくことなる見方が市場に広がることによって余分なボラティリティの高さが示現してしまうことであろうと思われます。

見方によっては強烈なレンジ相場が形成されるとも感がえられますが、直近ではIMFからも過剰な金融緩和に対するリスクが指摘されるようになっていますし、BIS,国際決済銀行も同様のコーションを出し始めている中にあって、海外勢はメディアもファンドもかなり日銀の継続的緩和に否定的な見通しをもっていることから、9月21日までは上下に振れの大きな相場が継続することも想定しておかなくてはなりません。

国内の状況だけを見ていますとよくわからない部分も多いものですが、海外勢の見方や世界的な公的機関の反応を見ますと、一定の潮目が変化していることは間違いないようで果たしてそれに日銀がどう応えるかで為替市場にも大きな影響が出ることになりそうです。

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