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散々手を尽くしてもまったく成長しない経済~4~6月GDP年率0.2%増

5日に内閣府が発表した2016年4~6月のGDP速報値は実質GDPで前期比±0%、年率で0.2%増となりました。

プラスは2四半期連続とはいうものの、これだけ巨額の金融緩和をしても経済にはほとんどプラスに働いていない実態があからさまになりつつあります。

実質GDPの内訳としては、内需が0.3%分の押し上げ効果、外需の寄与度は0.3%分のマイナスとなっており、それでもなんとか内需が支えていることがわかります。

項目別にみますと、個人消費が0.2%増と、2四半期連続でプラスとなっていますがお世辞にも顕著な成長ではなく、しかも4月に昇給があったとすればもっと伸びてもおかしくない数字で年率換算は案の定前期(0.7%増)から伸び率が縮小しています。

特に輸出の伸びがなく、しかも円高にシフトしているということはここからの輸出系企業の収益悪化を示唆するものであり、株価にも為替にもさらに影響を与えることになりそうです。

■GDP算定をめぐってもめる日銀と内閣府

ところで日銀が去る7月20日に2014年のGDPを再計算した結果を公表し、市場で話題になっています。

「税務データを用いた分配側GDPの試算」というのがこのレポートのタイトルで、日銀調査統計局の藤原裕行企画役らが連名で7月20日にウェブサイトで公表したたものです。

これは日銀によるGDPの再算定となるもので、14年度GDPは内閣府の公表額より29.5兆円多い519兆円となり、実質成長率もマイナスではなく2.4%のプラス成長になったことを示しており、内閣府が既に公表している2014年のGDPがマイナス成長だったものを真っ向から否定する内容となっています。

なぜこの時期にこうしたデータをあえて公表することになったのかはまったくよくわかりませんが、2013年以来行っている量的金融緩和の成果がまったく現れ無いことに対する、日銀の焦りと苛立ちとみるとその中身はわかりやすいものといえます。

この調子で算定すると、実はGDPは足元でも既にかなりの伸びを示しているということにもなりかねないため、果たして数字の修正を行うのかどうかも大きな興味のあるところです。

■当然反発する内閣府

この日銀のリポートでは、内閣府がとりまとめた内容とのかい離の理由の一つとして消費増税に触れ、現行GDPの基礎資料統計に一部企業が「税抜き」で回答した可能性などを指摘しています。

また統計調査が「十分なカバレッジを持っていない」ことも挙げており、国税庁の会社標本調査に基づく税務データの対象企業数は262万社なのに対し、現行GDPの基礎となっている総務省の経済センサスは175万社にとどまっていることも指摘しています。

ただ、内閣府はこれまでの分析手法に絶対的な自信をもっており、国際的な喜寿に基づいていることから改定するつもりはないことを表明しています。

逆に14年が2%以上の成長となったことについては大きな疑問を呈しており、今後同じ政府機関内でこの算定方法をめぐって揉め事が勃発する可能性が出てきているというわけです。

■算定方法が違うだけでこれだけ数字が違うという現実

しかし、大きな疑問となるのがこうした統計手法の違いだけでマイナス成長が2%超の成長になるということで、そんなに大きなギャップが出ること自体かなり驚くべきことといえます。

中国の経済指標が出るたびに捏造ではないかと疑いを持ってみてきましたが国内における日銀と内閣府のデータだけでもそれに匹敵するような数字の違いがでることは驚きであり、しかも景気実感としてはいまさら2%でしたといわれてもまったく景気がよかった印象がないのも困ったものです。

こうしたGDPの結果は株にも為替にも大きな影響を与えるものですから、修正できるものは修正して、役に立つ数字をはじき出してもらいたいところです。

しかし日銀と内閣府の内ゲバは当分継続しそうな雰囲気で、どのような決着がつくことになるのかが大きく注目されます。

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