FXコラム

米大統領選の激化で狙われる円~ドル安加速は必至か

2016/08/16

米大統領選が残り3ヶ月というところにさしかかり各候補から具体的な政策が提示しはじめています。

8月一杯は夏休みムード満載ですが9月に入ればテレビ討論会もセットされており、いよいよ具体的な政策論戦が繰り広げられることになりそうで、為替の話がその中に登場してくることにも注意が必要となってきています。

演説のたびに余分なことを口走り支持率を自ら落とす米国におけるハマコー的存在のトランプ候補ですが具体的政策については専門スタッフが練ったものを開示しているようで自由貿易協定を徹底批判するとともに減税、財政出動などを示唆するようになっており、引き続き白人の低所得者層の支持率は高くなっているようです。

一方トランプに比べてば数段まともに見えるヒラリー後方のほうは経済政策や雇用問題に重点を置くことにより保守層の取り込みをはかろうとしているようですが、エキセントリックなトランプ候補を前にしても好感度が著しく低く、上から目線と、なにより長年の政治家としてのインサイダーの動きが黒人から女性の大統領になるだけで代わり映えのしない存在として評価されているようで、事実上この大統領選挙は嫌われ者のダメさ加減を争う選挙になりつつあります。

■どの候補も保守化が鮮明

驚くのはオバマ政権が無理やり進めようとしていたTPPをトランプはもとよりヒラリーまでもが否定しはじめていることで、およそ米国はグローバリゼーションや地域経済圏的発想から後退を鮮明にするつもりのようです。

また強いアメリカでもレーガン政権の時のように強いドルはまったく志向していないようで、ドル安の加速をめざし、当面敵視するのは問題にしやすい日本円ということがかなり明確になりそうなこの秋口です。

FRBは少なくとも大統領選挙が終わるまでは利上げはできませんし、トランプが大統領となればイエレン議長自身が御用納めになりかねませんので、12月に乾坤一擲の利上げになるかどうかさえ疑わしい状況になってきています。

したがってここからのドル円相場は実需の売りにもさえぎられることになりそうですし、相当上値の重い秋口の動きを示現させていくことになりそうです。

■ETF6兆円買いで下支えの日経平均もいつまで持つか?

日銀のETF買い倍増により日経平均は非常に底堅く推移していますが、NT倍率は既に12.7倍を超えており一部の日経平均対象の値嵩株だけが相場を引っ張るというじつにいびつな展開が継続中です。この人為的な相場でいつまで上昇が続くのかはまったくよくわかりませんし、何より日経平均とドル高円安が既にまったく連動しなくなっているところも気になるポイントです。

ただ、残念なことに株価の暴落は必ずドル円の暴落を誘うことになりますので、ドル円の支援材料になるものは非常に限定的な状況といえます。

■例年9月からは米国株が下落

毎年のアノマリーになりますが、9月~10月は米国株が低迷する時期であり、これを嫌気して債券が買われることになれば金利がさらに低下することからドルは大きく売られることになり円高の更なる要因が登場することにもなりかねません。

したがってファンダメンタルズ的要因や政治的な要因を総合的に見るとドル円がここから大きく上昇することはきわめて考えにくく、下方向を想定してしっかり戻り売りでその準備をすることが重要になりそうです。

ハロウィンを超えたころにはまた新たな動きになることが考えられますし大統領選挙の結果が新しいファクターとして機能することも想定されますが、当面10月までは円高にシフトすることを強く意識して売買していきたいところです。

9月15日でリーマンショックから丸8年となります。大きな下落がやってくるタイミングもそう遠い話ではなくなっている今日この頃です。

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