FXコラム

日本株運用ファンドを閉じる外資系証券~一体何が起きているのか?

2016/08/16

ブルームバーグの12日の報道によるとJPモルガンアセットマネジメントがジャパンマーケットニュートラルファンドを9月1日付けで清算すると発表して話題になっています。

8月4日時点の運用額が1700万ドル日本円にして約17億円と大きく減少し新規に資金を見込むことが難しいとの判断からこの日本株ファンドを清算することとなったという内容です。

もともと3000万ドルを下回った場合には清算可能という条件が入っているそうですから、急に清算に追い込まれたというよりは一応の規定演技になっているようですが、それにしても日銀がETFを6兆円に増額してこの秋口はさらに株価が上昇するのではないかと言われている矢先におけるこうした日本株ファンドの閉鎖というのは誰が考えてもつじつまの合わない話であり、為替市場にとっても見逃すことのできない事態といえます。

■運用益は非常に低い状況

国内では株価の下落防止のために使われて大損をしているGPIFの存在が有名ですが、このファンドのリターンは7月末時点で同月次が2.1%。3カ月リターンはマイナス1.6%。2011年6月3日の運用開始以来ではマイナス16.3%であり、GPIFを笑えないほどの低水準の運用成績が続いており、昨年来の中国経済の変調や英国のEU離脱決定を受けリスク回避の円高が進行し、国内株価の低迷とともに、日本株に投資するヘッジファンドなどの運用成績も不振が続いているといいます。

シカゴ拠点の調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)によれば、日本市場で運用するヘッジファンドの2016年上半期収益率はマイナス6.1%で、運用額もそれにあわせるかのように減少しており3月末時点で15年6月末比14%減の262億ドル(約2兆7700億円)と、昨夏以降は資金流出が拡大している状況にあります。

こうしてみると日本株がこの秋から盛り返して海外投資家の資金もより多くが投入されるとか今期の前半に日本から出て行った6兆円分の投資資金が簡単に市場に戻ってくると考えるのはどうも話がかみあわない印象を持ちます。

むしろ出て行ったお金は戻ってこないですし、外人の株買いがないためにヘッジでドル円のドル買いをするニーズも減っているというのが現実のところで、ここから株価もドル円も上昇するという絵は簡単にかけなくなってきているのかも知れません。

■問題は夏を過ぎた時点から

この夏休み相場に関しては株も為替も大きな動きはでないものと思われますし、原油価格の上昇を反映して米国の株式も絶好調で推移をはじめていますから足元で大きくずれるようなことは想定しにくくなっていますが、夏を過ぎたあたりからこうした動きが明確に出始めることが予想されますのでかなり注意が必要になってきそうです。

どうも我々が相場を見て楽観視しているのと実際の相場との間にすでに大きな乖離ができている可能性があり、買い場よりあきらかに売り場を探すほうが間違いのない動きになりつつあることがわかります。

足元では日経平均とドル円の為替相場も連動感がかなり薄れてきていますが、株の下落局面ではドル円もつられて売られることが十分に考えられることから相当慎重に売買することが求められます。

市場では9月に日銀が緩和プランの検証ということでどのようなリバイスプランを持ち出してくることになるのかが非常に注目されていますが、あからさまに緩和を後退させるような内容は出してこないにしても明らかに緩和から及び腰の姿勢を明確にしてくれば、ドル円は改めて大きく売り込まれることになるリスクが高まりつつあります。

外資系ファンドの国内ビジネスへの取り組み姿勢については今後も注意深く見守っていきたいところで、先行きの外人投資家の姿勢にもつながるものとして非常に注目されます。

今回のJPモルガンのケースはなんとも嫌な印象を与える報道でした。

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