FXコラム

8月第二週の為替相場は米国の雇用統計の数値が改善

2016/08/11

8月第二週の為替相場は米国の雇用統計の数値が改善したことからドル円は週明け早々と102円台を回復する動きとなっています。

しかし輸出系企業の今年後半の為替の手当てレベルが想定レートの下落によりかなり下がってきていることがどうやら上値を抑える展開になりそうです。

特に大手のトヨタが社内の想定レートを102円としたことが他社にもかなり意識されているようでここからの上値はかなり重くなることが予想されます。

銀行の手数料を別にして102円台以上の為替予約をするためには少なくとも102円50銭以上で売りが成立する必要がありますから、ここからドル円の上のレベルというのはかなり実需に圧迫されることが予想されます。

通常お盆休みにはこうした実需筋はある程度売りの指値をしてお休みに入りますので、相場が上昇すればそのレベルが頭を抑えることになりますし仮につかなかった場合には休み明けにさらに指値のレベルを下げてくることも考えられるので注意が必要となります。

チャート的には105円から100円レベルが一応のレンジに見えていますが、103円台を超えて105円台までドル円が上伸するためにはよほどの材料がないと上がっていかれないというのが現実的な問題となってきています。

■米国の利上げタイミングもドル円相場に影響

7月分の雇用統計の結果がよかったことで市場では再度利上げのタイミングが早まるのではないかといった観測が高まっていますが、現状では9月に前倒しの利上げを行うほどの材料にはなっておらず、米国の利上げをきっかけとしてドル円がドル高になるのにはまだまだ時間がかかりそうな状況となってきています。

8月のお盆過ぎまではドル円は戻してもそれほど上のレベルまで回復することはなかなか難しいのではないでしょうか。

逆に大きく戻すことがあれば、そこは絶好の売り場になる可能性が高く、105円に近づくことがあるとすればかなり慎重に戻り売りのポイントをさがしていきたいところです。

財務省や日銀がさまざまな手立てをしてドル円が円安になるように画策している一方で肝心の実需筋がそのニーズから上値を抑えるレベルでドル円を売っているというのはなんともおかしな光景ですが、実需のニーズは決済が絡むものですから、相場の好転を待って入られないという大きな問題を抱えていますので、こうした動きになってしまうというわけです。

特に今年は6月末から7月にかけてドル円が100円をあっさり割れるといった相場展開になってしまっただけに100円割れの相場もかなり現実感が高まったことが実需筋の危機感を強めていることも事実です。

■売り切り玉の実需は為替市場では相場を左右する大きな存在

為替市場全体でいいますと実需の玉というのは全体の10%強に過ぎず、それ以外はほとんどが投機であったり、スワップ狙いであったりというのが市場の構造といえます。

しかしこの10%程度の実需は売ったら買いもどしの必要がないものとなりますので投機筋のように売っても買い戻しをどこかでかける玉とは大きく違い、相場に与える影響は想像以上に大きなものとなっています。

したがって今後ドル円で実需筋が売りの水準をすべてトヨタにならって102円台にそろえてくるようなことがありますと、ここからのドル円はかなり上昇することが難しくなると思われ、実需筋の動きが気になるところです。

今のところ明確に102円台を打ち出したのはトヨタ以外には見当たりませんが、どちらにしても現実の為替相場レベルが105円にも戻らない状況ですから、多くの輸出系企業が想定レートを下げてくることは時間の問題であり秋口から冬場にかけては米国の大統領選が絡んでドル安が進行することも予想されることからさらに相場の重い展開になることを想定する必要がありそうです。

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