FXコラム

国内ではヘリマネ騒動

2016/08/11

国内ではヘリマネ騒動にすっかり気をとられていましたが、海外に目をやりますと一時1バレル50ドルを超えていたはずの原油価格が大きく下落し、瞬間に40ドルを割り込むところまで価格が低迷し、市場に与える影響が心配されはじめています。一旦はかなり落ち着きをみせて高値で安定していたはずの原油価格がここへきてまた昨年と同様のリスクの種になろうとしているのです。

供給過剰で原産調整なども話し合われたはずのOPECですが、7月は3320万バレルと過去最大の生産量を継続させている模様で、またしても世界的に需給のバランスが崩れ供給過剰から価格が下落する動きが顕在化していることがわかります。

■原油先物価格はなぜか夏に低迷

市場のアノマリーとして有名なのはなぜか原油の先物価格というのが夏場に低迷することです。これは需給のバランスと関係なくおきているようで、豪ドル円が夏場に安くなるといったこととも一脈通じているのかも知れませんが、普通にしていても価格低迷につながる時期に過去最大の増産をしていれば需給バランスが狂っても仕方ないといえます。

原油価格がまたしても30ドル台に近づくようなことがおきれば、株も為替も大きなダメージを受けることになることから改めてその価格の推移をチェックするべき時期が到来してきていることがわかります。

■嫌なのはオイルマネーの株売り

原油価格の下落で思い起こされるのは昨年夏以降の日本株の売りです。

資金の捻出に困ったオイルマネー系のSWFが長期に保有していた日本の優良株を根こそぎ売りに出すことなり、株価は長く低迷することになりました。

特に年明けの原油先物価格の大幅下落が株売りに拍車をかけたことは記憶に新しい状況といえます。

ここからの原油相場次第ではありますがまた40ドル台を割り込む動きが顕在化すれば、日本株売りの再開も考えられ為替へも少なからず影響がでることが予想されます。

オイルマネー系ファンドの換金売りは特別なロジックをもたずにとにかく高くても安くても一斉売りをかけてくるところが非常に問題であり、自動車などの優良銘柄から順に売り浴びせしてくることから日経平均もTOPIXも相応に下落して元に戻れなくなってしまうのが大きな問題といえます。

しかもそのほかの外人投資家筋がこぞって売りに回ることになることから、手の施しようがなくなってしまうのも下落の特徴といえます。

■既に資源国通貨は軒並み安

原油価格の再低迷を受けて資源国通貨は軒並み安となってきています。

クロス円でも円高にならればドル円へ与える影響も明確で、ここからの原油価格の動きには十分な注意が必要となってきそうです。

また当然のことながら米国の株価にも原油価格は大きな影響を与えることになりますので、このまま再下落がはじまるようですと、株価が下落し米国の年末までに想定される利上げのタイミングにも大きな影響を与えかねない状況です。

世界的に原油の需要は大きく改善していない中にあって、生産量だけを闇雲に増加させれば、価格が下落することは誰が見ても明白なはずなのにこうしたコントロールができないOPECのイニシアチブのなさというものが改めて明確になってきていますがここから先原油価格の動向は世界経済と金融市場にとっての大きな足かせとなることは間違いなさそうです。

■日経平均にも大きな影響か

オイルマネーファンドの国内株式市場からの撤退もさることながら株式市場全体に与える影響も少なくない状況です。

このまま原油価格が低迷を続けることになると日経平均の上昇はおぼつかなくなり、ドル円も円高方向に動くことになるのには注意が必要です。

8月はそうでなくても円高傾向に振れることが多くなりますが余分なファクターが相場に大きな影響を与えることになりそうな状況です。

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