FXコラム

7月29日に発表された日銀の政策決定会合

2016/08/11

7月29日に発表された日銀の政策決定会合の中身は最低限のETFのほぼ倍増だけであとは全くなにも手をつけないままに終わりました。

しかしながら、次回までにマイナス金利付き量的・質的金融緩和(QQE)の「総括的な検証」を執行部に指示したことを黒田総裁が明らかにするという異例の予告編付会見を行うこととなったことに市場は大きな関心を示すこととなったのです。

常にこれまで市場にサプライズを与えることを中心に政策を発表し、対話を全く重視してこかなった日銀黒田総裁のやり方がここへきて大きく変化しつつあるのではないかという市場の見方が強まり始めており9月の政策決定会合がどうなるのかが非常に注目されはじめています。

■すでに既存手法の限界を日銀自ら自覚したのか?

今回の政策決定ではETFの買い入れ額を3.3兆円からほぼ倍増の6兆円にした以外は、国債の買い入れ額の増額もマイナス金利の深堀も一切行わなかったのが大きな特徴ともいえます。

すでに今年に入ってからは何をしても株も為替も売り込まれ、何もしなくても売り込まれるというほとんど金融政策の手詰まり感を露呈させてきただけに同様の手法をあえて引っ込めて、実利のあるETFの買い付けだけに集中することで最低限株価の下落だけには歯止めをかけようとした日銀の姿勢がはっきりと感じられる内容であったともいえます。

もちろん為替のほうはそれなりの下落を示現することとなりましたが、米国GDP速報値が悪くてさらに売り込まれた割には4月のように10円近く円高になるといった最悪の展開はなんとか免れる状況になっています。

■次回会合で方法論を大きく修正か?

黒田総裁は29日の記者会見でもとにかく2%の物価目標自体を修正するつもりがないことを何度も強調したものの、そのための政策手法を見直すことを視野に入れているとの発言をして大きく注目されています。

つまり国債の買い入れ額の総額から、シェアにベンチマークを切り替えるとかマイナス金利を一旦引っ込めるといった大胆な方針変更を持ち出すのではないかという期待が高まっているのです。

今回もマイナス金利を深堀しなかったことで金融株が売り込まれることだけは回避されており、マイナス金利一旦終焉させるといった方向も十分に考えられる状況になってきているのです。

■国債の購入対象を拡大し実質ヘリマネなし崩しへの方向も

日銀の国債保有比率は既に30%を超えていますがまだ市場には7割の国債が残存しており追加購入は可能と黒田総裁は胸をはっています。

しかし現実にはそのすべてを日銀が購入することは難しく、政府保証債や財投債、地方債などを購入対象をせざるを得ないのではないかとの観測もではじめています。

実際政権が考えている総合経済対策の必要資金を財投債の発行でまかない、これを日銀が全額、市中を通して引きうけることができれば、たしかに実質的なヘリマネ効果を発揮することもできるため、このあたりにどのような変化をつけてくるかも非常に興味のもたれるところです。

■現状のままではとにかく禁輸緩和の効果はなし

日銀は自ら金融政策が限界であるとは口が裂けてもいえない立場にありますが、日銀自体が手詰まり感はだれより感じているはずで今回あえて予告編付でこうした内容の再検討を行うと告知したことは、これまでとやり方をかえる方針の明確な表れなのかも知れません。

黒田総裁のこれまでのやり方はすでに市場からまったく評価されなくなっていただけにコミュニケーションのとり方自身も変化させていくことができるのかどうかに注目が集まります。

今回示唆した見直しがどこまで現実のものになるのかは実際に発表されてみないことには全くわかりませんが、9月の政策決定会合についてはこれまで以上に期待が高まりそうな状況になりつつあるようです。

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