FXコラム

29日に発表された日銀の政策決定会合の内容は事前の報道各社により憶測記事からは大きく後退

2016/08/11

29日に発表された日銀の政策決定会合の内容は事前の報道各社により憶測記事からは大きく後退し、かろうじてETFを6兆円に倍増するという緩和措置以外はほとんど現状維持という最小限の緩和にとどまり、9月に引き続き緩和期待を残す形で幕引きとなりました。

株式市場は乱高下したものの、ETFの増額を好感して日経平均は上昇して引けましたが為替のほうはまったく評価すべきものも見当たらず、事実上緩和措置がかなりむずかしいところに差し掛かってきていることを強く感じさせる内容を嫌気して大きく売りこまれることとなりました。

ただ4月の大幅下落に比べると下押しはそれほど厳しくはなく、なんとか来週以降の経済政策の発表につなげた形となっています。

■かろうじて政権からの要請に応えた日銀

政策決定会合後の会見で日銀黒田総裁はまだまだ打つ手があることを強く訴求する発言に終始していますが、今回はとりあえず大きく株も為替も売り込まれることだけは回避したものの、すでにマイナス金利も国債の買い入れ枠も迂闊に緩和措置として並べ立てても市場で評価されないことを日銀自身がもっとも理解しているが故にETFだけに特化した緩和にとどめたものと思われ、ここから先の追加緩和実施のむずかしさを露呈する形になったことは間違いありません。

■政権の政策リークのあり方も問題

この間、政権サイドからは故意とみられるメディアへの政策のリークが非常に多く見られましたが、結局市場はそれに右往左往させられることとなりアルゴリズム主体に相場は投げと踏みの応酬で結局積極的に評価するよりも発表前に痛く疲弊する相場になってしまいました。

実際の経済政策は2日に発表の見込みですがこちらも実際に発表されたときに相場がどのように反応することになるのかが注目されます。

28兆円といった数字だけが踊ることになりましが、真水の部分は市場が期待するほどの大きさではないようで、複数年にわたる内容が含まれているだけに、事前期待が剥落すれば株も為替も大きく売り込まれるリスクが残るだけに実際の相場の反応が非常に気になるところです。

■アベノミクスが既に終わっている可能性は濃厚

今回も日銀は引き続きアベノミクスに乗った形で政策を続行させる動きにしていますが、実際のところ、株も為替も人為的な相場の操作ではコントロールのできないところに差しかかっていることは間違いなく、ここからの金融政策がこれまでと同様に効力を発揮できるかどうかはかなり怪しくなってきています。

海外主要国のエコノミストは、もはや日本が好むと好まざるとにかかわらず、なんらかの形でヘリコプターマネーを導入しないかぎり日銀の緩和政策の出口はないと指摘をしており、しかもその時期はそう遠い未来ではないとも予言しています。

今回ヘリコプターマネーの導入話はメインテーマからずれてなんとなくうやむやに後退した状況になっていますが、日銀が取り扱うためには日銀法の改正も必要になるものであることか、
これをどう政権が扱うつもりなのかについても大きな関心が残ります。

一旦政権がこの手法を手に入れれば、とめどもなく利用する可能性は排除することができず非常にリスクが高まることになりますが、すでにこうした手法を真剣に考えなくてはならないところまで中央銀行が追い詰められているのもまた事実で今回の総合経済対策に織り込まれないとしてもこの先どのような形でヘリコプターマネーが導入されるのかは引き続き大きな注目を浴びることになりそうです。

現状では日銀サイドからは口が裂けてもヘリマネの導入を示唆することはできない状況ですが、どのタイミングで本格導入せざるを得なくなるのかはここからのおきな関心事となってくることはほぼ間違いのない状況といえそうです。

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