FXコラム

15日からの一週間はヘリマネ期待で妙に相場 が上昇

2016/08/11

15日からの一週間はヘリマネ期待で妙に相場が上昇してしまい、その後にBBCのラジオ放送で黒田日銀総裁がヘリマネを完全否定する内容が報道されたことから高値から2円もドル円は下落することとなり、かなり荒れた展開になりました。

このヘリマネ期待のドル円の上昇ですが一説にはジョージソロスまでも買い上げを行っているという話があり、欧米の儲かっていない投資ファンドがかなり期待して新たな資金を投入しながらアベノミクスの再来に賭けている状況になりつつあります。

しかしなぜ、終わったとさえ言われたアベノミクスに底まで入れ込むようになったのでしょうか?

実は、欧米の主要なエコのミストが挙って日本にヘリコプターマネーの実施を薦めており、しかも時間の問題で日本はヘリマネを実施せざるを得ないとまで断言していることがこうした外人投資家のドル円の買い上げや日本株への資金投入をエンドースしているといわれているのです。

■アデア・ターナーがIMFに提出した助言が注目

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最近日経新聞にアデア・ターナーが書いた日本はヘリコプターマネーを本気で検討せよという文書が話題を呼びました。

アデア・ターナーは、英シンクタンク、インスティテュート・フォー・ニューエコノミックシンキング会長を勤める人物です。

1955年生まれで米マッキンゼー・アンド・カンパニー、米メリルリンチなどを経て、2008年から2013年まで英国の金融行政の監督機関FSA(金融サービス機構の長官を務めた経験を持つ人物で単なる業界エコノミストではないことから市場の信任も厚い存在となっているのです。

彼は最新著作『Between Debt and the Devil』でヘリコプターマネーの導入を説いている人物であり、IMFにも同様の提言を既に2015年におこなったことで有名な存在となっているのです。

彼の論文は膨大なものになりますが、ごく簡単に論旨を要約しますと、もはや金融政策だけでは効果は限界に近づいており、1100兆円にも及ぶ国債の債務はどうみてもこの方法の延長線上では返済できる見込みはなく、現状の金融緩和政策に出口はないということが指摘されています。

すでに日本はアベノミクスと称して日銀による事実上の財政ファイナンスを行っているわけですから、ここからはさらに踏み込み規律正しくヘリマネを実施することで、デフレを克服して逃げ道を模索するしかないという提唱をおこなっているわけです。

独立性のあるマネーファイナンスの運用ルールを確立できれば、この施策は必ず効果を発揮するというのが彼の提言であり、日本は過去20年以上、非伝統的金融政策を使っても思うように物価が上がっておらず、もはや現在の延長線上に解決の方法はないと強く指摘しているのです。

意思決定の仕組みが複雑な欧州に比べれば、この国ははるかに実施できるチャンスはあり、政府や日銀はあらゆる可能性を排除すべきではないという強いヘリマネの推奨を行っています。

また、ここでヘリマネ実施を見送ったとしても金融緩和の出口はまったく存在しておらず、早晩実施を余儀なくされるとも断言している点が注目されているわけです。

この考え方は多くの外資系投資ファンドにも伝わっており、これならもしかすると化けるかもしてないという期待が高まっているというわけです。

ジョージソロスがドル円を買っているという話もまことしやかに流れていますが、まんざら嘘ではないのではと思わせる内容がここには記されているといいます。

ただし、こうした手法はどこの国でも成功したためしのないもので、しかも政府と中央銀行が両建てにした債務をかかえるかなりリスキーなものとなりますから、事実上日本が世界ではじめてぶっつけ本番の実証実験を行う羽目になるところがなんとも危険な賭けといえるわけです。

国内の経済学者にもこれを推奨しはじめる動きがではじめていますが、果たして本当に成功するのか?またどうやって政治に歯止めを利かせることができるのかが依然として大きな問題になっているといえそうです。

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