FXコラム

21日の為替市場はヘリマネネタで大きく上がって すべて下げるという極端な相場展開

2016/08/11

21日の為替市場はヘリマネネタで大きく上がってすべて下げるという極端な相場展開を示現することになりました。

政府が経済対策の事業費を20兆円規模とする方向で調整していることが関係者への取材で分かったと共同通信が報じたところから相場はそれを好感し株も為替もぐんぐんと上昇することになりました。

20日のNYクローズでは一旦107円をつけて緩んだドル円でしたが、オセアニア市場で買いあがり、ストップロスをつけて実に107.500円近くにまで買いあがることとなりました。

しかし、さすがにこの20兆円報道だけでは高値を維持することはできず、一旦緩んで106円後半にさしかかった午後5時半過ぎに日銀黒田総裁がBBCラジオのインタビューに答えて、ヘリコプターマネーは必要なく導入の可能性もないとばっさり切り捨てた報道が飛び出したことからいきなりドル円は1円以上下落することとなってしまい105円40銭レベルまで大きく下落することとなってしまいました。

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言ってみれば市場が勝手に期待して買いあがり勝手に失望して売り浴びせをしたというのが正しい結果ではないかと思います。

はたして20兆円とも言われる財政出動の費用はそのすべてが国債負担ではないとはいいながらそれならどうやって捻出するのか?、従来の方向で日銀が買取はするが日銀法の改定までしてヘリマネを追認することはしないという意味なのか、なかなか理解に苦しむ展開が続きそうです。

新聞報道が正しいのであれば、対策では、国と地方の追加歳出を3兆円超に抑えた上で、財政投融資6兆円を加えた財政措置として9兆円超を計上するとしています。

さらに、国の補助を受けて民間企業が行う事業や、政府系金融機関が財政投融資とは別に手掛ける融資を盛り込み、対策の事業費としては20兆円規模とする方向で、少なくとも6兆円については財投債を発行して日銀が買取る形にしなければどこからも原資は出てこないことになります。

こうして見ますと、日銀がヘリマネを否定するのは簡単ですが、政権との間に何が握られていて、どこが不協和音になっているのかがわからないことにはとてもではないですが為替の売買などできない恐ろしい状況になって来ていることが判ります。

黒田総裁とバーナンキ元FRB議長は一体1時間半も何の話をしたのか非常に興味がもたれるところですが、このバーナンキ訪日は本多・元内閣官房参与がしかけたものらしく黒田、バーナンキ会談はもっぱらおまけであった可能性もでてきています。

また、今回BBCラジオで流された黒田インタビューは過去に収録されたものということで、現状との整合性がどこまで取れているものなのかについても疑問が残る状況です。

■29日の日銀政策決定会合に要注意

来週またしても日銀の政策決定会合が開催されますが、この調子ですとまた何も出ないで現状維持となる可能性が危惧されるところです。

もちろん売りでポジションもっていればそれなりの利益を確保できそうですが、今回の黒田発言を見ていますと、相場が大騒ぎするのもあまり意に介していない印象があり、こうしたイベントにリスクをもって臨むこと自体があまり意味のあるものとは思えない気がしてなりません。

できることならば結果がでてからできることをやるという姿勢で臨むことがお勧めとなります。

政権と日銀との関係も今ひとつよくわからないところもあり、ヘリマネのネタでここから相場の動きに単純に順張りでついていくのはどうやらかなり高いリスクが伴うことになりそうです。

今回ヘリマネに大きく期待しているのは専ら外人投機筋が中心になってきているだけに非常に思惑で相場が動いていることを強く感じます。

月末までは少し落ち着いて動場状況をよく見た上でどうするかを決定していきたいところです。

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