FXコラム

週末トルコのクーデター騒動で大きく円高

2016/08/11

週末トルコのクーデター騒動で大きく円高に振れた為替相場ですが、未遂に終わったことから一定の戻りを試すこととなり、落ち着きを取り戻した展開となっています。

そんな中で21日にはECB理事会が開催されUKのEU離脱が決定したことなどからさらなる金融緩和を望む市場の声が高まりをみせています。

ただ、ECBの金融緩和には既にかなりの手詰まり感があり、過去二回の緩和措置を実施しても内容が相当のものであったにも係らず材料出尽くし感がでたことでユーロが下落せず、逆に買い戻しを受けるなど必ずしもECBの意図通りに相場が動かない状況が続いているのです。

果たして今回市場の期待通り追加緩和がでてもユーロが下落することになるのかどうかに注目が集まりつつあります。

■ドルが下落すれば相対的にユーロは高くなる方向も

今や先進主要国はほとんどが通貨安を目論む形となっていますが、利上げが後ずれするドルは米国政府がドル安に持ち込もうとする動きをしており、相対的にいえばユーロはUKのEU離脱問題などはあるものの一方的に下落する方向にはない点が気になるところです。

とくに過去4回のマイナス金利の深堀ではその度に欧州の金融株が広範に売られることになるため、株価が下がるとユーロが上昇するといった動きを示現することもあり、非常に結果は微妙なものになります。

■これでまたしてもユーロが下げなければ金融政策はもはや終了か?

昨年末から既に二回大きな失敗を重ねているECBの金融政策ですが、この21日にまたしても追加緩和を試みてECBの想定するような相場の動きを示現させることができなければ事実上ECBによる追加緩和政策は完全に終了することが見込まれてしまいます。

それだけに相場の反応が大きな関心を呼ぶことになりそうです。

これまでドラギ総裁は、口先だけで市場を動かしてきましたが、過去2回の政策決定を見る限り、そうしたやり方はもはや通用しなくなってきており、今回の政策決定で一体どのように対応するのかにも大きな注目が集まりつつあります。

■29日に発表されストレステストの内容にも注目

むしろユーロ売りを大きく加速させる可能性があるのが29日に発表される欧州銀行監督局(EBA)によるEU加盟国の主要51銀行を対象にしたストレステスト(健全性審査)の結果発表です。

イタリアでモンテパスキ以外の銀行が不合格になれば当然銀行への信用は大きく失墜することになりますし、取り付け騒ぎになりかねない状況ですが、市場がもっとも心配しているのはイタリアの銀行ではなく巨額のデリバティブを行っているドイツ銀行の存在です。

6月29日に、FRBが実施した米国におけるストレステストの結果によりますとドイツ銀行は既に不合格を喰らっており、同様のテストで欧州でもドイツ銀行に不合格を出た場合、相場はかなり同様することになり、ECB理事会の結果以上にユーロが売り込まれることも予想されます。

既にIMFはレポートにおいて名指しでドイツ銀行を世界でもともリスクの高い銀行としてお、
今年後半、リーマンショックを超えるほどの大きな問題になるかもしれないのが欧州金融機関リスクとなりつるあるのです。

■UKのEU離脱騒動も年末まで後ずれで材料から外れた状態

そもそものUKのEU離脱問題は新首相の英与党保守党のテリーザ・メイ新党首は、年末まで正式にEUからの離脱を表明しないと述べており当初一気に話が進むかと思われたUKのEU離脱問題もかなりトーンダウンしつつある状況です。

逆にECBが今回緩和を行わないとなると、失望売りだけはしっかり出てくることになると思われますのでユーロに一定の買戻しが出る可能性も一応想定しておく必要がありそうです。

BREXIT問題はUK自体の問題よりもEUが抱える問題のほうが遥かに大きくなってきていますが、ECBがこれにうまく対応していけるのかどうかが大きなポイントになりそうです。

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