FXコラム

参議院選挙空け、週初から上伸しはじめたドル円

2016/08/11

参議院選挙空け、週初から上伸しはじめたドル円は週末の金曜日まで大きく値を上げる結果となり15日の東京タイム106.206円までつけて6月24日の早朝のBREXITで離脱回避の調査結果を受けての上昇にかなり接近する動きとなりました。

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相場の支えとなっているのはやはりヘリマネの話題ですが、もちろん可能性は否定できないもののこの材料で形が見えてくるまでにはかなりここから時間がかかることが予想され、法的に問題も残されることから、7月末の日銀の政策決定会合でその片鱗が見えるといった期待もできないことからこのネタだけでどこまで相場が上伸するのか、またどこまでついていくのがいいのかはかなり迷う局面にさしかかってきています。

■テクニカル的にはかなりいい線まで戻した状況

6月24日の高値をドル円が明確に抜けてくれば107円台へとさらに上伸することも期待されますが、ここから上は実需のタマがぎっしり並ぶ場所でもあり、果たして来週以降このネタだけでさらに株も為替も買いあがることになるのかどうかの判断に難しくなってきています。

14日にはMPCでBOEが利下げを見送ったことからポンド円も下落せず、ドル円もそれが大きな支援材料として下落を免れていますが、一定の戻りを試したところでポンドはさらに売り局面に向かうことも考えられ、ユーロも追加緩和期待から売られる可能性が高く、ドル円だけが一方的にあがる状況にはないことも確かで、15日の東京タイムも買いあがっては大きく下落するという落ち着きのない相場展開が続いています。

実際に相場を見ていますと動きがよくわからないところも多く、必要以上にニュースのヘッドラインで売買が進むアルゴリズムの取引にもかなり違和感を覚えるところです。

■元英国FSAのアデアターナーの論文にも注目が集まる

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Photo 共同通信

元英国FSAの長官を務めたアデアターナーがIMFに提出したレポートの中身も欧米ではかなり話題になっています。

彼の見方では、もはや金融政策だけでは今の日本の状況は乗り切ることができず、既に国債の購入などでヘリコプターマネーの導入に近いことをしているわけだから、法整備をして規律正しくじっくりと実施することしか日本に残された道はないとしているところが欧米の投資家にかなり大きな影響を与えていることは事実のようで、そこにバーナンキが訪日したことで俄然ヘリマネの実施期待が高まっているというわけです。

■実施には基本的に法改正が必要

中央銀行の紙幣増刷による財政赤字の穴埋めは日米欧とも法律で原則禁止されています。

ただ、例外規定は存在しており、日本では、財政法第5条や日銀法第34条のただし書きに関する規定がそれに当たるものとされています。

石原伸晃経済再生担当相は直近の記者会見で、今年度第2次補正予算の財源として赤字国債は望ましくないとしながらも、建設国債発行の可能性を示唆していますから、これをゼロ金利の永久債という形態で日銀が購入する可能性はまだ残されているといえます。

既に量的金融緩和既発債を買いいれているわけですから、現実的には財政ファイナンスを日銀がやらかしていることは間違いなく、ヘリマネもその一部と考えればそれほど高いハードルではないともいえます。

あとは、黒田日銀総裁がこうした手法にどのような姿勢を見せることになるのかも大きく注目されます。

29日にはまた会見が待っていますので、そのあたりでの黒田総裁の物言いのあり方次第では思わぬ上昇や、逆に大きな失望売りを招きかねず、この7月末の日銀の政策決定会合はまたまたクリティカルなイベントになうな気配濃厚です。

このままですと市場は月末まで上昇が継続しそうな雰囲気ですが、果たして株も為替もそこまで高値を維持できるのかどうかを見極めることが非常に重要になりそうな7月後半戦に入ります。

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