FXコラム

今週 FRB前議長のベン・バーナンキが来日

2016/08/11

既にご存知の方も多いと思いますが、今週FRB前議長のベン・バーナンキが来日し日銀の黒田総裁や安倍首相と会談するという報道が流れています。

この報道を受けて市場では株価が盛り返すなどなぜか日銀の緩和期待が盛り上がりはじめているところです。

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Photo WSJ

このバーナンキ、ちょっと金融経済に詳しい方ならご存知のようにヘリコプターベンと呼ばれるほとばら撒き政策については入れ込んでいる存在で、FRB議長就任前の学者の時代にも不景気になれば、ヘリコプターからドル札をばら撒けばよいと発言して、今話題のヘリマネについてなみなみならぬ意欲をみせてきた存在です。

日本にやってくるのも当然このヘリマネを実現するようにそそのかしにくることはほぼ間違いないようで、まずは日本で実験的にやってみることを薦めるものと見られいます。

■原資のない日本ではとんでもない錬金術に

このヘリコプターマネーですが、どうやって国民に配るかの問題よりもどのようにして原資のないなかで資金を調達するかが実は大問題につながるものなのです。

現状では、償還期のあった日本の国債を償還期なしに変更し、発行した国債すべてを2013年の4月から実施してきたように日銀が買い入れをし、ゼロ金利のまま金庫にしまって補完し続けという脅威の錬金術を実現しようとしているわけです。

そもそも借金を返済しないで累積的に積み上げて大丈夫なはずは無く、どこかで驚くほどのインフレがやってくることは間違いありません。

しかし財務省はこのハイパーインフレを利用して 国の借金を一気に帳消しにすることをどうやら真剣に考えているようですが、国民は大変な窮乏化に追い込まれることは確実で、こんなことがまともな政策とは言えない状況です。

■なぜか欧米のエコノミストはこれを日本に薦める

最近、バーナンキに限らず、欧米の著名なエコノミストはなぜか日本にこの手法を薦めるケースが増えています。

まあ自国で行うよりも日本で実験してもらい一時的に経済が回復する間に自国もなんとか立ち直り、日本がその後深刻な状況になるころにはデフレを抜け出して日本だけ沈没することを考えているのではないかと思われる発言が非常に多いわけです。

今回バーナンキがどこまでヘリマネを薦める話をするのかはわかりませんが、実に不穏な会談が日銀総裁とも安倍総理ともセットされるのが気になります。

■市場はさらなる日銀の緩和措置に期待

株式市場が中心だと思われますが、金融市場ではまたしても月末の日銀の政策決定会合で緩和措置がでて株価が盛り返すことを強く期待する動きが高まってきています。

折りしもバーナンキの来日でさらに追加緩和が深まることを期待している部分もあるのだろうと思いますが、ここで国債の買い入れ額を80兆円から100兆円にしても買える国債は今のところもう潤沢には残されておらず、ETFも足元で既に市場の50%を日銀が買い入れてしまっているという異常な状況であり、まかり間違ってマイナス金利の深堀などを打ち出せば金融株が総じて売り込まれることから株価は上がるどころかまたしても下落することさえ考えられるわけです。

当然上昇支援材料がきわめて乏しいドル円も下方向を目指す可能性があり、月末29日に本当に日銀が緩和を実施するのか、また実施した場合にこれまでと同じように相場が上向くことになるのかが大きな関心事になりつつあります。

へたをすれば逆に日銀の緩和内容の失望から大きく売り込まれるきっかけになることも十分に想定され、相当な注意が必要になってきているのです。

過去3回に及ぶ大掛かりな追加緩和の実行で市場ではだんだんとその効果が望めなくなってきています。

とくにマイナス金利の実行はたった3日しかその効果がでなかったことは記憶に新しく、その後は何をしてもしなくても毎回失望売りがでるだけという非常に難しい状況に追いやられているのが日銀の政策です。

この7月に失敗してしまいますともはや中央銀行バブルもお仕舞いとなりかねませんので日銀が本当にどう対応するつもりなのかが注目されるところです。

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