FXコラム

本来7月初旬には公表されてしかるべき であったGPIFの2015年度の運用結果

2016/08/11

本来7月初旬には公表されてしかるべきであったGPIFの2015年度の運用結果が7月29日の公表を前にして関係者の口からほぼ5兆円超であることがわかりました。

まあよくそんなもので済んだものだと逆に関心させられますが、実は2015年度が終了してからさらに相場は下落し、6月24日の下落では株も為替も2014年から購入して保有していたものはすべて逆ザヤというトンでもない状況に陥っており、含み損はそんなものでは済まないところまで追い詰められていることがわかります。

■2025年まで支払いで原資は漸減

運用資金が大きくならない以上、既存の加入者の高齢化による支払いは年々大きくなる一方で、毎年5兆円程度は原資自体を取り崩す必要がでてきているといわれています。

とくに2025年には人口の3人に1人が65歳以上ということで、今後年金の支払いによる取り崩しは年々増加することが予想されます。

ということは、もはや損失を含めてもGPIFはこれまでのような相場の下落の買い支え資金としては機能していかないことが鮮明になってきていることが理解できます。

■アベノミクスの本質は金融抑圧による人為的相場

アベノミクスという言葉だけが先行して総合経済政策であるかのように一人歩きした3年間でしたが、中身といえば日銀が金融緩和政策だけで株価を持ち上げ、自国の通貨を積極的に切り下げて円安を作り出したことから企業収益がなんの努力もしないままに持ち上げられ、株価上昇で多くの上場企業の内部留保を増やしただけの政策ですから、ひとたび為替が円高に振れ始めれば多くの企業収益は逆に吐き出す形となってしまい、本質的に景気がよくはないことがそのまま相場に現れてしまう事態に陥りつつあるといえます。

しかもこれまでは相場の下落局面ではGPIFをはじめとするPKO軍団が相場を買い支えるためだけに年金資金を湯水のようにつぎ込んできましたが、もはやそうしたお助け部隊が登場できるような状況にはないことが明確になりつつあります。

人為的に作られた相場はかならず破綻する時期が訪れますが、いよいよそのタイミングが近づいてきているようにみえます。

■もはや金融緩和政策では相場を制御できない?

参議院選挙まではなんとか株も為替も高値に戻し維持するという証券業界の見方がありましたが、実際は選挙を待たずに日経平均もドル円も大崩れする展開となってしまいました。

月末の日銀の政策決定会合による追加緩和も市場では根強く期待されているようですが本当にここからの緩和で相場が元に戻ることになるのかどうかもかなり懐疑的な状況になってきています。

■ここからは丁寧な戻り売りがお勧め

どうやら為替もドル円はほとんど支援材料のない展開となりそうですから、ここからは相場が大きく戻ったら戻り売りできめ細かく対応することが必要になりそうです。

特に参議院選挙後はそうでなくても材料出尽くしで相場が売られやすくなっており株が下がれば為替も下がる可能性は極めて高くなります。

とりわけ円はリスク回避時に円キャリートレードの巻き戻しからどうしても買われ安くなる傾向があり、株価の下落とは別要因でも円高に振れやすくなっていることは間違いありません。

一旦は終了したかに見えたUKの国民投票後のリスクオフ相場ですが、この夏もさらなる下値を試す展開が続きそうです。

一般的に二番底はそれまでの大底から1ヶ月程度で示現することが多く、しかも大底をさらに下回る新底になることも想定しておく必要がありますのでドル円について言えば99円を下回る可能性は十分にありうるといえそうです。

特にポンドの下落が激しく、ポンド円が大幅下落するとドル円もつられる傾向は顕著になりつつありますので要注意です。

この夏は暑さだけでなく相場にも負けないように用心深い売買を行いたいものです。

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