FXコラム

週が明けてからの為替市場

2016/08/10

週が明けてからの為替市場はまだ完全にUKのEU離脱を織り込みきれておらず、市場参加者も限られている状況であることから値動きの荒い相場が継続中です。

市場ではG7による協調行動の期待もではじめていますが、今のところ登場したのはドルの供給による流動性の確保のみで市場がもっとも期待する協調介入には遠く及ばない状況になってしまっています。

そもそも足元の状況では、ポンドにしてもユーロにしても通貨安がそれほど大きなリスクにはなっておらず、今後のことを考えればむしろポンドは通貨安のほうが都合がいい部分もでてきています。

ユーロもECBは直接的に為替のレベルを口にはしませんが、決してよくない経済状況を勘案すればユーロ安になることは余分な金融政策不要で示現することだけにそんなに悪い状況ではないとも言えます。

そもそもECBドラギ総裁は、かねてから介入の障壁が高いことを口にしており、為替に対する行動があったとしても別のものになる可能性を示唆していますからECBとBOEだけをとっても協調介入は難しいことがわかります。

また日本の介入に極めて懐疑的な米国はこのUKのEU離脱騒動でドル高となっている当事国ですから、円高に対する興味と理解は皆無に等しい状況で、G7が本当になにか協調的な行動をとれるのかどうかはかなり怪しくなってきているといえます。

■UKのEU離脱がリーマンショックと大きく異なる点

巷では今回のUKショックをリーマンショックに擬えて、とてつもないパニックが起きるとリスクを煽る動きがでていますが、本当にそうなのか?とかなり首を傾げたくなる状況です。

リーマンショックは、民間の金融機関が引き起こしたトラブルで同時多発的に同業に金融機関の破綻リスクを高めたことから、投資家のみならず証券会社自身が株式を大量に投売りせざるをえなくなった事情があり、一気に相場は大幅下落してパニックになりました。

しかし今回のUK騒動は経済的なリスクは高まるものの金融パニックではないため、リーマン級と拙速に語るのはいかがなものかという印象が強く残ります。

■金融市場ではポンドと英株式市場は上昇するという見方も

一部のヘッジファンドでは、UKのEU離脱は長期的に見てUKにとっていいことであり、当座の混乱は避けられないものの、十分に二国間交渉をしてリカバーすれば十分にやっていけるとする見方が広がっています。

これにより長期的には英国の株式市場とポンドは上昇するのではないかという全く別の見方も顕在化しつつあるのです。

国内のメディアを見ていますと一方的にUKにリスクが集まり、とんでもないことになりそうな状況に見えますが、果たして先進主要国がこれにまとまって行動をとれるかどうかはかなり難しくなってきているのではないでしょうか。

■だらだら下げる相場では日本の単独介入も実施不可能

週明け、当然のことながら102円まで戻ったドル円相場の状況では、日本の金融当局が介入する余地もなくドル円は下値を意識しながら狭いレンジを上下しています。

1日に4円から5円といった大きな下落がなく、毎日1円ほどの下落で90円台の中盤まで落ちていくようなことになれば、金融当局が介入するタイミングはほとんど登場することがなく、もっぱら口先介入だけが先行する市場になりそうで、介入期待で下値を買ってもうまくいかない可能性のほうが高いのが実情です。

主要通貨では当面十分にひきつけてからの戻り売りがもっとも効率のいい売買法になりそう、
迂闊にレベル感から買いを入れないことが肝要です。

為替市場は落ち着くまでにもうしばらくかかりそうですから動きの方向性がよくわからないと思ったときには無理をせず様子を見ることも必要です。市場に次のテーマが示現するまでにはもうしばらく時間がかかりそうな気配となっています。

-FXコラム