FXコラム

UKのEU離脱問題

2016/08/10

UKのEU離脱問題はまだ完全にすべてが市場で織り込まれたというわけではなく、ゆり戻しがありそうな気配ですが、結論がでるにしてもかなり時間のかかることだけにここからUK問題だけで市場が大きく動くことはあまり考えられない状況です。

そもそもリスクがあらかじめ想定されてきたこうしたイベントの場合、それに起因して相場の大暴落がやってくることは考えにくく影響が出るとすれば長期間に渡ってじわじわと相場が侵食されることが心配されます。

■相場のテーマは米国の利上げへと回帰か

6月の一連の大きなイベントを何とかこなし7月に向けての相場のテーマはまたしても米国の利上げに回帰しそうな気配です。

市場の観測ではFRBが利上げではなく利下げを行うのではないかとの見方が俄かに高まっていますが、もしそうした流れが強まることになればドル円は95円方向に下落することも考えられることからここ1ヶ月の動きが非常に注目されることとなります。

■CMEのFedWatchにも既に下落の確率が登場

このブログでも何回かご紹介していますCMEのFedWatchサイトもなんと利下げ確率が登場するようになって話題を呼んでいます。

7月については利上げなしの確率が92.8%となっていますが、逆に利下げの確率も7.2%と上昇しはじめており、市場ではもはや利上げが難しいのではないかといった観測も高まりつつあるのです。

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リスクになってきているかどうかは現状ではまだ判断しきれないところですがここから先はこうした観測が出るたびにドル円が売られる局面に陥ることが考えられ、かなり注意が必要になってきそうです。

■米国では商業用不動産バブルが深刻な問題に

PIMCOは6月20日に顧客向けのレポートで米国のショッピングモール、ホテル、オフィスを含む商業用不動産 (CRE) バブルは弾ける寸前であるとの警鐘を鳴らし始めました。

それだけではなく米国ではREITも大幅に上昇しており明らかにバブル状態を示現しています。

本来FRBはこうした状況下なら一旦は利上げをして沈静化をする必要があるはずですが、国内事情だけで果たして利上げができるのかどうかが大きなポイントです。

■最後は株価をみて判断か?

FRBはいろいろな指標を総合的に勘案して利上げを決めていると説明していますが、結局のところどっとチャートも当たったためしはないですし、とどのつまりが株価を見て判断しているだけなのではないかという憶測がウォールストリートを中心に広がっています。

S&Pが今年の高値である2134を更新すれば利上げに踏み切るものの1800を割れれば利下げなのではないかというのがもっぱらの噂になりはじめています。

残念ながらS&Pはどうしてもこの数字を超えることができずに高止まりしてきましたが、UKの離脱騒動を経ても3%程度しか下落しておらず、日経平均に比べればかなり底堅い状況が継続しています。

現状ではなかなか利上げも利下げもかなわない状況ですが、不動産バブル抑制のことを考えればとにかくFRBは利上げを急ぎたいはずで、ここから年末までのFRBの決定は確かに目が離せないところに来ています。

■利上げ実施なら強烈なリスクオフ展開に

グローバル化の進展の中で世界中の先進国はデフレに向かって突き進んでおり、その回復ができないままの状態を継続させています。

ここで米国の国内事情だけから利上げを行った場合には、大変なリスクオフの展開が示現する可能性があり、年初に見た株価の大幅下落が再度示現する可能性が高まります。

ドル円は相変わらず下値のリスクのほうがかなり高い状況が続きそうで、ポストUK国民投票はやはり米国FRBの利上げに対するハンドリング如何にかかってきていることは間違いない状況です。

夏場は米国株も大きく売られるのがアノマリーですが、FRBのオペレーション次第ではさらに大きく売られるきっかけとなることにもかなり注意が必要になってきています。

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