FXコラム

英国のEU離脱の可否をかけた国民投票

2016/08/10

英国のEU離脱の可否をかけた国民投票が近づき、FX相場は大きくその雰囲気が変わりつつあります。

ほとんどの店頭FX業者は様々な取引規制に乗り出し、大きな相場の変動で莫大な損失が顧客に出ないようあの手この手で取引のボリュームを抑えこむ方向に動いていています。

現在多くの業者が市場の流動性の低下の可能性について注意喚起を行いはじめていますが、市場の流動性が低下するというのは具体的にはどのような状況のことを言うのでしょうか?

今回はこのことについて考えてみたいと思います。

■売り手も買い手も存在しなくなる状況

流動性が枯渇するという状況は特定の通貨ペアの売買に売り手も買い手も存在しなくなることを意味します。

通常FX取引をしていると自分が作ったポジションはその反対売買をする人間がいるから成立しているということをすっかり忘れてしまいがちですが、売る人がいるから買える、買う人がいるから売れるのがこの相場の特徴で売り手も買い手も存在しなくなると売買が成立しなくなることから売り手なり買い手が存在するレートまで相場が動かざるをえなくなってしまうのです。

たとえば、ユーロルーブルなどという特別な通貨ペアはユーロ圏の時間帯ならそれなりの需要があるため流動性がでますが東京タイムなどにはまったく売りも買いも需要がないためまともに売買ができなくなるといった弊害がでるものです。

流動性の低下というのは主要な通貨ペアでもこれに近い状況に陥ってしまうことになるのです。

■インターバンクも積極的に値を出さなくなる

こうなるとインターバンクも積極的に値を出さなくなりますから、価格が跳んでしまったり、売値と買値のスプレッドが複数カバー先を利用しても大きく広がるといった通常にはないことがたくさん起きることになるのです。

また、相場のほとんどの取引者が一方向だけのポジションを保有している場合には驚くほど価格が変動しないと相場が成立しなくなることもあり暴落に拍車がかかることとなります。

今回の英国の国民投票をめぐってはそれなりに為替のオプションも売買されていますので、コールにしてもプットにしてもオプションが履行できるようになればすぐに利益確定をしたいと思っている投資家が多いはずで、大きく下落しても驚くほど早くショートカバーがでることも予想されます。

こうした値の動きは長年トレードをしている投資家はこれまでの経験からなんとなくイメージできるものとなりますが、まだまだ初心者の個人投資家の場合、流動性の枯渇がどのような形で相場に現れれてくるのかいまひとつピンとこないケースが多く、普段どおりの売買をして大失敗をすることが非常に増えてしまうのです。

■離脱が確定するとどうなるか誰も正確には予測できない

今回の英国の国民投票では、残留が決まればそれほど大事にはならずに相場は元に戻る動きをすることになると思われますが、離脱が決まった場合、その後の株式市場を含めて、どれだけの反応がでることになるのかを正確に予測できる人間はおらず、ほとんどの予測はこれまでの経験に基づく推測に過ぎないのです。

したがって、実際に相場が動き始めるとはるかに予測を超えるオーバーシュート気味の動きになることも考えられますし、日ごろからよく動くポンドを巡っては驚くほどの下落相場を目の当たりにする可能性もでてきているというわけです。

たしかにこうした機会は千載一遇の利益獲得チャンスになることもありますが、想定を超えた動きはかえって利益を失うリスクと隣り合わせになっている可能性もあり、この時期に取引をすること自体に大きなリスクが潜んでいることだけはしっかり認識してポジションを作ることが重要になります。

-FXコラム