FXコラム

米国の雇用統計というのはその統計手法から

2016/08/10

米国の雇用統計というのはその統計手法から毎回大きくぶれるのが特徴で、プロのアナリストでもなかなか予想ができないのが大きな特徴となっていますが、今回5月のNFPは驚くべきヒト桁の結果となり、相場は大荒れに荒れることとなりました。

■すでにFedWatchは利上げ確率を大幅縮減

常に利上げ確率をリアルタイムで変化させてFRBの利上げを予測しているCMEのFedWatchは5月雇用統計の結果を受けてその確率を大きく下げています。

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6月の利上げ確率は直近まで30%をキープしていましたが、足もとでは僅か3.8%にまで減少しており、6月の可能性は完全に消えたといってもいい状態です。

また7月についても30.2%へと減少しており、市場は7月の可能性もないと見始めている状況にあります。

■イエレンの決断は株価次第

市場ではFRBの利上げ決断は株価を見て決めているのではないかという憶測が飛び交いはじめています。

もちろんFRB自体は口が裂けてもそんなことは言いませんが、S&Pの数字が2150を超えると利上げのサインになるといった話もまことしやかに流れるようになっています。

確かに株価が下落してしまいますと市場への影響がもっとも大きくなりますからうなずけない話ではないと思われます。

しかしこの2150という水準はなかなか達成できないものでもありFRBメンバーが利上げを再三示唆する割には簡単にのらない水準にもなっているのです。

■ドル円の上昇材料は次々剝落

6月に入ってからまだ間もないにも拘らずドル円の上昇材料は次々と消え始めています。

まず安倍内閣が発表した消費増税の見送りは期待されていた大型財政出動の話が秋口にずれ込もうとしていることから日銀の緩和措置も期待されないという失望で株も為替も大きく売られることになりました。

どうやらオバマの広島訪問で支持率が上がったことから無理して政策対応をしなくても参議院選には勝てるという勝算がでてきたのでしょう。

本来ここで大型財政出動すれば、日銀が金融緩和枠を増やして国債を買うという図式も想定できたわけですが、これで金融緩和も簡単には行われない可能性が高まり、一気にドル円は円高に向かうことになりました。

さらにUKのEU離脱の世論調査が離脱支持に傾いていることもドル円を押し下げる要素になってきています。

そして今回のまさかのNFP大幅下落という三大ネガティブファクターが揃ったことでドル円はまたしても105円台方向に戻す可能性が非常に高まりつつあるのです。

■週明けの105円方向への窓開けにも注意

すでに3日のNYタイムで106円台中盤まで下落したドル円は週明け105円方向を再度試す可能性が非常に高くなってきています。

仙台サミットのおかげで日本が簡単に為替介入できないことも再度コンファームされた状況ですから、今回一気に105円割れを試す可能性も高まりつつあるといえます。

■UKのEU離脱観測がさらに高まれば23日前に100円方向に

ドル円はUKの国民投票にも大きな影響を受けることは必至であり、さらにEU離脱が鮮明になるような調査結果が続出することになれば、23日の投票結果を前にしてポンドが大きく下落することになり、それにつられる形でドル円も予想外の円高に振れる可能性が出てきています。

一体こうした動きが出るときにドル円の水準がどこにあることになるのかが最大のポイントになりそうですが、105円水準であれば100円は目と鼻の先であり、かなり危機的な状況に見舞われることも想定しておく必要がではじめています。

FOMCが無風となれば、今月最大のイベントは英国のEU離脱問題になりますから、ここからのポジション作りには相当な注意が必要になってきそうです。

ポンドと関係ないはずのドル円はポンド円とユーロ円の下落に大きく影響されることになります。

ただ、下落のことばかり心配していますが、UKのEU残留が決まれば何より株価が回復することになるのでドル円も連動して上昇する可能性もありますので、この段階での断定は禁物です。

とにかくここからの為替相場はかなり難しくなることだけは間違いありません。

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