FXコラム

米国労働省が発表した5月雇用統計

2016/08/10

米国労働省が発表した5月雇用統計は、久々にかなりのネガティブサプライズをマーケットに与えてくれることとなりました。

非農業部門雇用者数は前月比+3.8万人と、市場予想+16.0万人を大幅に下回りマイナスとなりました。

この数字は2010年9月来の低水準となり、市場の予想をはるかに下回る結果となってしまっています。

さらに4月分は16万人から12.3万人からへ、3月分は20.8万人から18.6万人へ下方修正されており、過去2か月で5.9万人下方修正されることとなり、こちらも嫌気されています。

今回の雇用統計ではあらかじめベライゾンのストでおおよそ3.5万人の雇用減少が影響するされていましたが、それを含めても依然10万人割れでかなり弱い数字になっていることが判ります。

■6月FOMCでの利上げはないとの市場判断

この結果を受けて市場では少なくとも6月のFOMCでの利上げはなくなったという判断が強まっており、6日に予定されるイエレン議長の講演での内容に再度注目が集まることとなりそうです。

しかし3日のNYタイム序盤の段階ですでにドル円は106円台をつけており、5月30日に111円44銭レベルにあったことから考えれば相当な速さで下落を続けていることから市場はかなり
痛んでいる状況が推測されます。

■悉く市場の読みと反対方向に動く相場

6月はもともとイベントが多く、相場は荒れることが予想されてきましたが、ここまでの相場状況は市場の読みと完全に反対方向に動きはじめているところが気になります。

参議院選挙対策も結局でてきたのは消費増税の先送りで、短期の投機筋に漬け込まれて完全に売り込まれる形になっていますし、6月のFOMCもイエレン議長の講演で妙に買い上げられましたが、結局ショートの巻き戻しが終わってみればまた106円台まで5円近くほんの4日で再巻き戻しとなっており、相場の読みがかなり難しくなっていることを痛感させられます。

■チャートのサポートラインは意外に機能

こうした相場状況ではなかなかチャートがうまく活用できないとお嘆きの方も少なくないと思いますが、ドル円やユーロドルなどでは1時間足のサポートラインは意外に機能しており、一旦は止まることが多くなっています。

動きの方向性はなかなかチャートでは断定できない難しさがありますが、サポートラインやレジスタンスラインについては結構機能しますので、やはり個人の感覚だけのレベル感ではなくチャートの裏づけのあるところでできるだけエントリーしていくことがこういう時期だからこそ必要になってきそうです。

■ここからの材料はやはり英国のEU離脱問題か

参議院選挙関連がダメ、FOMC期待薄、日銀政策決定ははらから期待なしということになりますと材料が多いと思われた6月相場もメインイベントは23日の英国の国民投票に絞られることになりそうです。

こちらはどこまで意外性が登場するのかわかりませんが、少なくともドル円やユーロドルには相応の影響がでることとは考えておかなくてはならず、23日の投票前の世論調査結果で不意に大きな動きが示現することについても十分意識しておく必要がありそうです。

実際5月30日にICMの世論調査結果ででてからドル円も円高に動いており、事と次第によってはこれだけで100円台に突っ込む可能性もではじめています。

30日までは111円台でしたが今は106円台でありまたしても100円方向のほうが近くなってきてしまっています。

これだけめまぐるしく相場が動きますと意識を変えること自体がかなり大変になりそうですが、しっかり発想をリセットしていくことが重要になりそうです。

とにかく思い込みで売買をしないこととどちらに動くか判らない場合には無理にポジションをとらずに静観して動きがつかめてから次の売買に乗り出していく癖をつけたほうがよさそうです。

全体に市場参加者が激減しているため為替相場は短期勢とアルゴリズムだけが参戦しており、げと踏みの応酬が日々続いていることから誰も儲かっていない状況です。

迂闊に巻き込まれないようにすることがもっとも重要な考え方かもしれません。

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