FXコラム

イエレン発言で上昇したドル円~まだトレンドは出ていない

2016/08/10

27日(日本時間では28日の午前2時過ぎ)から始まった米国FRBのイエレン議長のハーバード大学の講演において、今後数ヶ月で利上げをイエレン議長自身が利上げを示唆する発言をしたことから週明けの東京市場ではドル円が大きく買われることになり、111円台を回復することとなりました。

月曜日は東京市場以外はほとんどお休みでしたのでその後の動きは継続しませんでしたが、ドルが買い戻しされたことは確かで、ドル円ショートの巻き戻しが進んだとも言える相場状況となりました。

しかし、相場的にはまだ確実にドル円が上昇するようなトレンドがでているわけでえはなく、一方的にドル円上昇と断定してしまいますと、結構リスクのありそうな相場状況となってきています。

■6月の利上げが見送りだと7月利上げまではかなりの時間がある

このまますんなり6月15日(日本時間では16日の午前3時)のFOMCの政策金利発表で利上げとなればあと2週間ほどですが、万一7月以降へ利上げが先送りされることになると利上げ時期はかなり後ずれすることになりますから一旦円高方向に巻き戻しが出る可能性もまだ否定はできない状況です。

またUKのEU離脱のための国民投票が近づくにつれて世論調査の結果が結構拮抗し始めている点もあり、子のあたりでもまさかの離脱が決まるようなことになれば一時的に円が大きく買われるリスクも残っている状況といえます。

■6月16日日銀の緩和があるかどうかも大きなポイント

安倍首相は消費増税の再先送りと大型財政出動をぶち上げることになりそうですが、それとともにやれることはすべてやるという点では6月の日銀政策決定会合において、さらに追加緩和が登場してもおかしくはない状況といえます。

しかし消費増税が先送りされる状況下で黒田総裁が積極的に緩和を打ち出してくるのかどうかも大きな注目点となることは間違いありません。

とくに株価が大きく下落している最中であればそうした緩和措置がすんなりでてくる可能性がありますが、1万7000円台にのせた日経平均の株価で果たして追加緩和を本当に行うのかどうかが大きな関心を呼びそうです。

また何も出してこなければ一定の失望売りがでることもありますから要注意ということになりそうです。

■トレンドが出始めるのは112円を明確に抜けてから

今後ドル円のトレンドがでるとすれば、やはり112円を少なくとも抜けて114円方向にかなり接近していかないと難しい状況で、今のままでは幅の広いレンジ相場が継続しているだけにも見えてしまいます。

これが1月末に日銀の緩和期待で上げた111円後半を明確に抜けて114円方向まで上伸していくようになればかなり状況は変化することになりそうです。

ただそれでも上方向は115円程度が限界であり以前のようにドル円がどんどん円安に向かう可能性はかなり低くなってきています。

■参院選で材料出つくしになればそこが売り場に

ここからはかなり参議院選挙にむけて国内ではいろいろな政策対応が登場しそうでうすが、やはり材料が出尽くせばまた株も為替も売り場がやってくることは間違いないようで、ドル円の上昇賞味期限もかなり限られそうな状況です。

7月の参議院選挙の正確な投票日はまだ確定していませんが、それが終了する時期は株も為替も大きく下落する可能性視野に入れておく必要があります。

仮にドル円に今後トレンドが明確に発生したとしてもそこまでの命であると考えるべきではないでしょうか。

この6月から7月にかけての為替相場は従来にもまして難しい展開が予想されますので、少しでも利益がでた場合にはその都度しっかりリカクしながら前に進んでいくことが重要になります。

そのぐらい材料によって売りと買いが交錯し、流れがその都度変わる可能性があることをあらかじめしっかりと認識しておく必要があります。

一方向にだけ動くわけではないのがこの夏の為替相場の特徴になりそうです。

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