FXコラム

消費増税延期報道を受けて為替はどう動くのか?

2016/08/10

27日、(日本時間28日2時過ぎ)から行われたイエレン議長のハーバード大学の講演を受けてドル円は110.450円付近まで買いあがることとなりました。

発言の内容をよくよく読み直してみるとそれほど6月利上げを確定的にするような発言はしておらず、徐々に市場をならしていく目的もあるように見えるところです。

また土曜日の新聞報道で安倍首相が正式に消費税増税を2年半ほど延期する旨の記事が載ったことから週明け、ロンドン、NY市場はお休みながら本邦勢の期待から株が上昇しそれにつれてどこまでドル円が上昇するかが注目されるところです。

ただし週末にはまた米国の雇用統計が控えていますのでこのまま一方向に上昇するとも考えにくく、当分はレンジ相場が続く可能性がでてきています。

前述のようにイエレン議長発言も完全にタカ派発言とまでは言い切れない状況で、6月は利上げを行わずに様子を見る可能性も十分のこされていますので、一方向に動くことをあまり期待しないほうがいいかもしれません。

むしろどちらに動くかを確かめてから売買をすることが重要になりそうな一週間です。

■安倍総理は本当にすんなり増税見送りできるのか?

政治の世界では野党が増税オンタイム実施を主張し、政権が延期を模索するといういささかピントのぼけた状態が続いていますが、自民党内には反対者も多いようですし、なにより今はリーマンショック前に匹敵する危機的な状況なのかという不思議な論点が市場を通り過ぎようとしており、この増税延期の話がずるずる先延ばしになると市場は催促で一旦下げる場面も考えておかなくてはならなくなり難しい見極めになる可能性もありそうです。

上げるなら上げるとすんなり決めてもらったほうが相場は動きやすくなります。

これがFOMC以降までずれ込みだすと厄介な動きになることも考えられ、非常に注意が必要になってきているといえます。

また海外勢は決して増税見送りを歓迎していないのもまた事実ですから、投機筋の日本売りが出る可能性すらあり、一方向にだけリニアに動く相場を想定しておくのは危険な状態です。

さらに日本の格付けが下落することがあると為替は円が売られやすくなるものの株価の下落で結局為替も円高になるといった複雑な動きを見せるリスクにも注意が必要となります。

これで増税延期を決断するまで妙に時間がかかることになると相場はまた混迷を極めることになりそうで、まずは延期の動きを見極めることが重要になりそうです。

■英国のEU離脱は後退気味だが・・・

一方、英国のEU離脱に関しては直近の世論調査でかなり離脱派が後退したことを受けてポンドの買戻しも進んでいますが政府がEU離脱のデメリットをかなり並べ立てるキャンペーンをはじめていることで態度保留の層が離脱反対に傾いたことから数字が動いたものの、このまま最後まで走りきれるのかどうかは全く未知数であることから、こちらも予断を許さない状況が続きそうです。

■相場は上下双方向を想定しておくべき

この6月相場は材料が多く、それぞれの材料が相反するような動きになることも考えられることから一方向にだけ動くと断定するのは非常に危険だと言わざるをえません。

むしろ柔軟に構えてしっかり利益がでたときには確定しておきながら常にリセットして考えていく必要がありそうです。

いずれにしても一番大きなイベントは米国のFOMCにおける利上げとなりますから、これを軸にして上昇するケースと下落するケースのシナリオをしっかり考えておき、それがチャート上でしっかり裏付けられるかどうかを確認した上でポジションを作っていくことが重要になりそうです。

場合によっては想定とまったく反対に相場が動くこともよくありますので常にに柔軟に対応できるようにしておきたいところです。

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