FXコラム

いよいよ伊勢志摩サミット~失望売りにも注意

2016/08/10

本邦投資家が非常に期待しているように見受けられる伊勢志摩サミットがいよいよ開幕することとなります。

ただその前哨戦として開催された仙台G7では財政出動は各国判断、成長促進で一致という報道のされ方をしていますから、基本的には先進国が協調的に財政出動を行うといったようなダイナミックな宣言が出てくる可能性は殆どなくなったといえます。

議長国の日本としたは体裁は整えた声明発表になることと思いますが、中身がなければ失望売りがでる可能性もあり、注意が必要となります。

現実的に見ますとこの伊勢志摩サミットに期待しているのは参議院選挙対策で何かだしてくるだろうという思惑の強い本邦の株式投資家が中心のようで、海外の投機筋はほとんど何も期待していないとも言われています。

むしろ27日にハーバード大学だ開催されるイエレン議長の講演会の中身のほうがより関心が高まっているようにも見られます。

■勝手に期待して勝手に失望する市場に注意

ただ、こうしたイベントで注意しなくてはならないのは、市場の勝手な期待と失望です。

先般の4月28日の日銀政策決定会合が典型的な例で、市場は思惑から相場を買い上げてしまい、その後まさかのゼロ回答で大きく売られたことは記憶に新しいものです。

今回はゼロ回答ということはさすがにないと思われますが、実利的なプランが確約される可能性は低く、そういう意味では国内の株価主導で失望売りが出る可能性は考えておく必要がありそうです。

G7と違ってこのサミットで為替のことが話し合われることはほとんどないと思われますが、株が売られればドル円は追随する可能性が高く、思わぬ下落に巻き込まれる可能性も想定しておく必要がありそうです。

■骨太の方針も微妙

安倍政権はサミット後に骨太の方針を発表の予定ですが、こちらも市場が期待する消費増税延期は盛り込まれないことから、同一労働同一賃金の実現、保育士・介護職員の処遇改善、無利子奨学金の充実、AI=人工知能などを駆使した第4次産業革命のための研究開発投資の促進、それに個人消費を喚起するための賃上げの実現などを列挙してみても本当に市場の期待にマッチするものなのかかなり微妙と言わざるを得なくなってきています。

本来、1~3月のGDPが予想を大きく下回れば大型財政支出についても増税先送りについても日銀の追加緩和も大義名分がはっきりとするはずでしたが、多少なりとも改善してしまった状況はその理由には利用できなくなってしまい株も為替も市場はどう受け止めるかに迷うような展開となってしまいました。

一部の報道では消費増税の延期は参院選後という話も飛び出しており、今回早くも市場の期待とは裏腹に材料出つくし感が出る可能性も高まっており、今週末から来週にかけての相場の動きにはかなり注意が必要になってきているといえます。

■予想外のサプライズがでて上昇しても絶好の売り場か

もちろん想定外の内容が飛び出して大きく相場が上昇する可能性もまったくないとは言い切れませんが、ここで上昇した場合にはその後の相場のための絶好の売り場となることも考えておく必要がありそうです。

6月は米国のFOMC,日銀の政策決定会合、英国のEU離脱をかけた国民投票とベクトルの異なるイベントが矢継ぎ早にめぐってきますので、必ずしも一方向に動くとはいえませんが、ドル円については高値は売り場となることをイメージしておくべきでしょう。

それほどここから買い上がる材料は少なくなっている状況です。

ただ、現状では投機筋の円ショートも貯まりすぎていますから、一旦戻してくれたほうが大きく下落できるというところにも差し掛かっているといえます。

くれぐれも適当なレベル感からではなくしっかりテクニカルチャートで確認しながらエントリーポイントをつかんで行きたいところです。

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