FXコラム

G7仙台で再度日本の円売り介入の困難さが浮き彫りに~今後の円高のサポート要因

2016/08/10

20日、21日と仙台で開催されたG7先進国蔵相、中央銀行総裁会議は本邦勢が事前に期待していたように為替に関する突っ込んだ声明がでることもなく、終焉となりました。

為替の過度な変動は好ましくないと言った内容は確認されたものの米国側からは無秩序と言うにはハードルが高いといったけん制発言も飛び出し日米の金融当局が為替に関してまったく歩み寄る気配がないことも鮮明になったといえます。

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Photo Reuters.com

■為替介入ができないことを改めて鮮明に示現

今回のG7における顛末はドル売り円買いを進めたい海外の投機筋にとってはかなりのエンドースメント材料となったことは間違いありません。

GW明けの相場は日本の介入警戒感からあっという間に4円ほど相場のショートカバーを示現することとなりましたが、こうしたリスクは一気に遠のいた形となってしまっています。

どれだけ麻生財務大臣が断固という言葉を使ってすごんで見せても、殆ど先進国からの理解は得られず、とくに米国との関係はかなり悪化することが予想されるだけに今の日本の金融当局の姿勢では到底介入などできないことが再度明確になったといえます。

■足もとでは一旦ショートカバーだがその先はまた円高回帰

CFTCが発表した17日時点の建玉報告によればCMEの通貨先物市場で投機筋のドル円のショートは5万8919枚と前回の5万9047枚から128枚減少していますが、依然としてショートが高い水準で残っていることがわかります。

さすがにドル円は下落を目指したくてもこれだけショートが貯まっていると一旦上に持ち上げてショートを切らせる動きがでるのではないかと予想されます。

しかし110円50銭から上は110円台でなんとか9月以降の為替予約をとりたい輸出勢がびっしりと売りを並べている模様で、112円台まで上伸するのはかなり厳しそうな状況です。

実際20日のNY市場でもドル円はかなり強含み、上方向に行きたがっていることは明確でしたが、日銀の報道をきっかけにして下落することとなり、112円台に到達することが依然かなり厳しいことを明確にしてしまいました。

ここからはよほどショートカバーの勢いが強ければ115円台まで戻ることも考えられない状況ではありませんが、米国のドル安主導などを考えるとここからはあまり上方向の可能性はなくなってきているのではないでしょうか。

そもそもドル円をそこまで買い上げる材料として何が登場するのかが大きな問題になりつつあります。

■大きなドル円下落は7月参院選前後か

国内の相場は参議院対策で何か政策がでることを期待していますが、具体的なネタがまったく登場しないことから株も為替も買い上げるに上げられない状況が続いています。

消費増税の延期も場合によっては参院選以降といった憶測も飛び交い始めていますし、規模感だけの税制出動で株や為替が買われることになってもそのレベルはそこそこのものにしかならないことも考えられます。

ここからは当分もみ合いの膠着状態が続きそうですが、6月23日のUKのEU離脱の可否をかけた投票、7月18日の共和党代表選でのトランプ氏選出などドル円が円高方向に動きそうなネタが満載の時期にさしかかってきていますから、相場の方向感としては円高を想定しておくことが間違いなさそうな状況です。

なかなか具体的にいつ円高になるかを当てるのはかなり難しくなりますが、場合によっては参議院選挙前にも下落が始まる可能性も高く、ここからの相場の動きには一層注意が必要になりそうです。

既に年初から16円近く動いたドル円ですから一方的に下落することは考え難いともいえますが、それでもリスクは下落方向にありそうです。

夏の参議院選挙後はそうでなくても材料出つくしで大きく株式相場が崩れる時期だけにこの夏は為替も大幅下落に十分注意が必要となりそうです。

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