FXコラム

水面下で積み上がる中国リスク~この夏はまたしても要注意

2016/08/10

上海G20以降すっかり落ち着きはらってほとんど話題にならなくなっている中国市場ですが、こへ来てまたぞろ危ない話が登場しはじめており、決して安心してはいられない状態が継続しつつあります。

■まずは債券市場のリスク拡大

ここのところずっと小康状態であった株価が下落しはじめていることから今後の上海株価動向も気になるところですが、それにもましてリスクが高まっているのが債券市場なのです。

ブルームバーグの報道によれば、今年中国企業が償還しなければならない社債規模はすでに3兆7000億ドルにも達しており、日本円では約65兆8363億円ということですからかなり巨額な規模になってきていることがわかります。

しかもこのうちのかなりの部分が償還できずにデフォルトに陥る可能性を指摘する向きが急激に増えているのです。

2015年の6月に暴落した上海相場以降株より債券のほうが利回りも確定していて安心と大きく誤解した個人投資家がいきなり債券市場になだれ込んだことが異常とも思える社債発行につながっているとされ、しかも今年からは海外投資家にもその門戸が開放されたことから、イールドハンティングに血眼な欧米の投機筋も乱入して相場は完全にバブル化している状況にあるのです。

この債券市場がおかしくなれば上場している企業にもいきなり影響がでますから、株式市場に波及することは間違いなく、かなり危ない状況になってきているのです。

■不動産は再バブル状態が示現しつつある

問題はこの債券市場だけに留まりません。

中国国家統計局が5月14日発表した主要経済統計によりますと、鉱工業生産は前年同月比6.0%増となり、伸び率は3月より0.8ポイント減速することとなっています。

また工場や建物などへの固定資産投資は、1~4月の累計で前年同期比10.5%増で1~3月と比べ、伸び率は0.2ポイント鈍化することとなりました。

さらに4月の小売り売上高も前年同月比10.1%増と前月から0.4ポイント減速し、11カ月ぶりの低い伸びとなっており、経済指標全体があまり芳しくない状況にあることがわかります。

そんな中で突出しはじめたのが、不動産市場なのです。

3月の新築住宅販売価格は全土で前年比+4.9%と若干高めに推移していますが、沿岸の主要エリアではまたしても不動産バブルが再燃していることがはっきりとわかる状況です。

深センでへ実に+61.0%を記録しており、上海が+26%、北京が+16%と主要都市は軒並み上昇の一途をたどっているのです。

中国の場合んは国が締めにかかればバブルは崩壊し、緩めればまたバブルになるという繰り返しをしていますが不動産バブルの崩壊はほかの投資からの資金の撤退などまたしてもミンスキーモーメントを引き起こす可能性が高いことから、その推移がどのようになるのかが注目されます。

このままで行けば今年の夏を待たずに不動産主体でバブルが崩壊し、それが引き金になって中国の金融市場全体が大きく下落する可能性もでてきているのです。

そういう意味では直近の上海株式市場が不気味に下落を始めているのはなんとも気味の悪い状況といえますが、テールリスクの一端は依然中国にあることがはっきりとわかります。

こうしたバブル崩壊は、中国の場合突然にやってくることになりますが、とにかく為替で
逆張りから買いを入れようとするときにはどんなに細かいポジションでも常にタイトなレベルにストップロスをおき、暴落に巻き込まれない努力をする必要がありそうです。

とくにドル円に関してはこの夏上昇の材料はかなり限られていますので、高値をつけたら一旦は戻り売りで対応するというのも意外な利益機会を獲得するチャンスになりそうです。

夏場国内で参院選が終わればそうでなくても材料出つくしと成りますから、今年は猛暑だけでなく相場の大幅下落にも注意が必要になりそうです。

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