FXコラム

いよいよ消費増税延期が見えてきた~黒田日銀はそれでも6月緩和

2016/08/10

メディアの報道によりますと、どうやら安倍首相は伊勢志摩サミット終了後に消費税再延期を決定する見通しのようで当初から想定されていたように参議院選挙にはあらゆる政策対応で臨むことが間違いない状況になってきています。

熊本地震や現状の景気動向から行けば積極的に増税ができる状態でないことは間違いなく、選挙対策にも先おくりは欠かせないツールとなりつつあります。

しかしこれで6月16日に予定されている日銀の政策決定会合で黒田総裁は何か追加の緩和
措置を果たして登場させることになるのかどうかが注目されるところです。

4月にゼロ回答だってだけに6月の動きには一定以上の市場の期待も膨らむこととなることから黒田総裁がどう動くのかに関心が集まりそうです。

■5月18日には四半期GDP発表も

5月18日には1~3月の四半期GDPも発表になりますが、事前の市場予想は平均0.44%のプラスであるもののこれがまたしてもマイナスになれば二期連続となることから本格的なリセッション入りとなることから日銀への政策期待もさらに高まりそうです。

直近の報道ではこの予想を実際には下回る可能性が高くなってきているようでこうなると市場が勝手に期待して事実でまた売るという4月の暴落相場の再来も気にしなくてはならない状況で、相場の動きを見極めることはかなり難しくなりそうです。

実際景気実感としても決してよくなっている印象はありませんし、GDPを支える個人消費もそもそもの可処分所得に伸びが見られませんから、上向きに動くことを期待するのはきわめて難しい状況です。

■消費増税命の黒田日銀は延期でも緩和するか?

もともと黒田総裁は日銀から増税完全実施の尖兵として送り込まれてきた人材だけに今回再度消費増税が延期されても金融緩和を行うつもりあるのかどうかが最大の注目点となってきています。

確かに株も為替も高値で安定してくれることが増税の実施につながるわけですが、果たして延期の状態で今の水準から緩和を実施するつもりがあるのかどうなのかが大きな疑問点となります。

とくに昨年末、今年1月と緩和措置を打ち出しても市場ではその効果が殆どみられなくなってきており、国債買い入れ額を100兆円にしたりETFの買い入れを増やしても一過性のもどりにしかならない可能性は前よりもさらに高まってきています。

2014年10月末に先出しした挙句増税延期が梯子をはずされた黒田バズーカ2についたはご本人も相当政権に激怒したと言われ、4月の政策決定ゼロ回答もある意味で安倍政権に対する姿勢を見せたものではないかとの憶測も飛び交うほど日銀と政権には乖離ができはじめています。

この状況の中で、半ば自民党の選挙対策にしかならないような追加緩和を果たして日銀が繰り出してくることになるのかどうかが大きなポイントになりつつあります。

■英国のEU離脱投票なども後に控える状況

日銀の政策決定会合のあとには英国のEU離脱の成否をかけた国民投票も控えており、これで万が一英国民の判断が離脱賛成多数となれば一時的に大きくポンドが売られ、ユーロも引きずられることからポンド円、ユーロ円の円高も手伝ってドル円も100円方向に大きく下振れする可能性が高まることになります。

こうなるとせっかくの金融緩和も他国起因のノイズレベルにかき消されてその効果は1月同様短命に終わるリスクもかかえることとなりのです。

4月の日銀のゼロ回答以来、首相官邸はかなり怒っており、自分たちで財政出動主導で株価の押上を図ろうとする動きを強めているとも言われます。黒田総裁がこうした状況にお手並み拝見とばかり静観の構えを見せればまたしても相場の期待を裏切る形になりそうでこれまで以上にこの16日の政策決定会合に注目が集まることになりそうです。

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