FXコラム

円高の一因となったルー財務長官が19日から来日~ドル円はどうなる?

2016/08/09

20日から仙台で始まるG7蔵相会議にドル円は無秩序ではないと発言して円高の一因となった張本人の米国ルー財務長官が来日することがわかりました。

果たして今回の会議の席上、同長官が為替に関してどういう発言をするのかが注目されるところです。

日本が為替操作疑惑国の監視対象になってからはじめての米国財務省の責任者の来日だけにこの会議を通してどのような発言が飛び出すのか内外のメディアも非常に注目し始めているところです。

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Photo US embassy

■これまでの発言を踏襲するのか?

日本的な対応で考えれば、急激な為替の変動はよろしくないといった多少は開催国の日本に配慮した発言がでるものですが、果たしてアングロサクソンのルー財務長官がそうした空気を読んだ配慮ある発言をするのかどうかが大きなポイントとなりそうです。

歴代財務長官の中でもとくに影が薄くろくな発言をしないと定評のあるルー財務長官がオバマ政権の末期になって忽然とドル安宣言をし円高を目の敵にしている点はなんとも見逃せないところで、今回の来日でも基本的な姿勢を変える可能性は極めて低いのではないでしょうか?

どう見てもルー財務長官は日本に大して怒りを感じているようにみえてなりません。

おそらく発言のトーン&マナーは4月のワシントンの会合のままが継続してしまうのではないでしょうか?

むしろ裏づけのない妙なから元気で市場に向けて為替介入という言葉を出してすごんで見せた麻生財務大臣が発言を弱めざるを得なくなる場面もみられることになるかもしれません。

日銀黒田総裁もしかりで、このあたりの需要人物の発言がどう変化するのかあるいは変わらないのかも見所です。

日本の金融当局がどうしてそこまで為替介入に自信をもってきたのかよくわかりませんが、あらためて為替に関して一定の認識が確認されてしまうとドル安が継続する動きが加速することになるかもしれません。

またルー長官が記者会見で再度介入をけん制する発言がでればその場から円高に相場が動くこともありえそうです。

米国の大統領選挙でも日本の動きがさらに槍玉に挙げられる可能性は高く仙台G7から状況が好転するとは俄かに想像できないのが正直なところです。

■為替相場は疲弊ムード満載

ゴールデンウイーク明けの為替相場はさしたる材料もなく105円台まで突っ込みその後はショートカバーから109円台にまで戻る形となっていますが、ほとんど方向感がなく、売りがかさめばショートカバーがでるものの、高値では買いもでないためずるずる下がるという不思議な狭い範囲のレンジ相場をくりかえして週を終えています。

投機筋は夏の参議院選挙までに材料がでつくすとそこから大きく下げるとみているようで、直近の相場にはかかわらずに静観していることも相場の方向性を失わせているといえます。

毎日もみ合いが続く割にどちらに動くのかよくわからない状況は依然継続中で、伊勢志摩サミット以降、政権からなにか大きなサプライズ政策がでることを市場は待っているようにみられます。

■またしても失望感がでることも想定すべき

しかし政権がいまできる政策対応には世界を驚かすほどのインパクトのあるものがでてくるとも思えず、これまでの日銀の政策決定会合以降の相場の動きを思い浮かべるとサミット後に失望感が出てくる可能性も否定できません。

18日には日本のGDPが発表になりますがこれでまたしても低空飛行が明らかになると日銀の緩和期待も高まりそうで、期待と失望が背中合わせの相場展開が当面続くことになりそうです。

日銀の政策の限界もアベノミクスの終焉も既にかなりつよく市場は感じ始めているだけに市場との対応次第ではまたしても相場暴落の引き金をひきかねないところが非常に危惧されます。

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